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【タイ】日本の車両とシステムで運行される電車「パープルライン」に試乗した

Global News Asia / 2016年7月31日 11時0分

タオプーン駅を出発しようとしている日本製の車両(撮影:高田胤臣撮影)

 2016年7月29日、バンコクの下町タオプーンから隣接するノンタブリ県のクロンバーンパイ駅を16駅で結ぶ、およそ23kmの路線「パープルライン」が8月12日のグランドオープンに向けて試運転を行っている。その試運転に試乗してきた。

 この路線はバンコク・メトロが運営する全線高架線で、開通すれば運賃は初乗り16バーツから駅ごとに2バーツが加算されて上限は42バーツの予定。これまでBTSスカイトレインや地下鉄などで日本は車両などの受注には至っていなかったが、パープルラインは丸紅と東芝、JR東日本の共同出資事業体が鉄道システムと10年間のメンテナンス事業を受注している。これはバンコクの都市交通で初めて日本製車両が受注したケースであり、日本の企業連合が海外で初めて鉄道メンテナンス業務に乗り出したケースでもある。

 路線は全線が高架線になっており、プラットホームは両サイドとも転落防止ドアが全駅についていた。日本メーカーの車両はBTSなどで走るシーメンス社などのものよりも気持ち広い気がした。ただ、車両のモーター音なのか、BTSやMRTに比べてやや甲高い騒音が聞こえた。しかし、これは日本の電車にはよくある音なので日本人には気にならないだろう。

 運営者側の発表ではパープルラインは1日12万~20万人の乗客を見込んでいるようだが、周囲はまだ開発が進んでおらず、それだけの人が利用するかは疑問だ。恐らく開通後に徐々に開発が進むのではないだろうか。

 タオプーン駅からも現在はほかの駅との接続がなく、バスやタクシーなどでMRTバンスー駅に移動しなければならない。この駅と接続するブルーラインが建設中とのことだが、ここが完成するまではやや不便かもしれない。

 現在バンコク都内および近郊で鉄道交通網の建設が進んでいる。バンコク都が計画している交通網がすべて完成すれば今よりもずっと過ごしやすくなるのは間違いない。しかし、タイは予定通りに建設が進まない。10年以内に計画が完遂されるとは到底思えないが、楽しみではある。

【執筆 : 高田胤臣】

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