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【タイ】日本を飛び出してアジアに向かう若者たちが止まらない

Global News Asia / 2016年10月6日 11時0分

おしゃれなダーツバーは、タイの若者たちにも十分に受け入れられる素地があるという。(川村氏の経営するダーツバー)

 2016年10月6日、窮屈な日本を出て海外に活路を見出す若者が増えている。これは、今や時流の流れともなりつつある。タイの首都バンコクでも年々増加する在留邦人に加えて、タイ国内市場を見込んだ日系企業の進出や、若者たちが個人や仲間たちと起業するケースは増加している。

 近年、大戸屋やCoCo壱番屋といった外食チェーンを筆頭に日系飲食店はまだまだ増加傾向が止まらない。これは日本食がブームを超えて、タイ社会に根付いてきたという背景が大きい。また、スポーツ面でも日本の技術や人材を取り入れる傾向が強いタイでは、多くの日本人サッカー選手がタイプレミアリーグで活躍している。

 そんな中で、まだタイ人にもあまり知られていない業界でも、進出を探っている若いグループがある。九州熊本県でダーツバーを経営するTwenty-Six社は、プロ選手も多数所属する日本では指折りの存在。

 タイにおいてダーツは、まだまだプレイ人口も少なく、欧米人が出入りするバーなどにビリヤード台と共に置かれている程度だ。Twenty-Six代表川村征次郎氏(34歳)は、そんな状況を元日本プロダーツプレーヤーという経歴を活かして、自らのノウハウで変えてみたいと、店舗経営からプロ選手の育成、ダーツトーナメント開催までをも視野に動いている。

 日本では男女1000人を超えるプロ選手がいるダーツだが、タイを始めアセアンではまだまだという状況だ。しかし、タイでは世界チャンピオンを輩出したことから、ビリヤードは全土で広く親しまれてる。同一店舗にビリヤードとダーツというのは、日本でもよくあり、プレーヤー層も似ていることなどを一つの取っ掛かりとして、まずは拠点となる直営店の候補地を探している。

 「僕のコンセプトには”大人が本気で遊べば仕事になる”と言うのがいつもあります。ダーツもそうでした。バンコクでの店舗展開、ダーツ普及には可能性を十分に感じています。日本人の繊細な技術を活かすダーツ競技は、タイやアセアンの若者たちにも人気となると思っています。まずは、このバンコクを足がかりに切り開いていきたいです。そのために必要なら、もう一度プレーヤーとして復帰することも考えています。」と語る川村氏は、選手活動を再開することをも含めて、スポーツ選手らしく自ら未踏の世界を切り開いていく覚悟だ。

 彼のように身体一つでバンコクへやって来る若者たちは毎年増えてきている。しかし、誰もが成功するとは言えないのも現実だ。海外で事を起こすには、言葉の問題から始まり、日本以上にその資質も努力も必要になる。失敗すれば帰国すればいいなどと逃げ道を用意している人たちは、まずうまくいかない。とはいえ、日本に魅力や可能性を見出せない現代の若者たちは、大いに可能性を感じ取っているのだろう。そんな彼らにとって日本はいささか窮屈になってしまったのかもしれない。
【記事 : そむちゃい吉田】

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