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【ミャンマー】「ワ族のこともっと知って」最大武装勢力の民族料理店が開店

Global News Asia / 2016年10月19日 11時0分

店内にはワ族特産の織物や民族楽器、ワ州の巨木を使ったテーブルが並ぶ(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2016年10月19日、内戦終結に向けた和平交渉が進む中でも、最大兵力を誇り強硬派ともみられている少数民族ワ族の武装勢力。そのワ族の食べ物を近代的にアレンジして提供するエスニック料理店「ルート」がこのほどヤンゴンに開店した。始めたのはポウンヨン・ピョンさんら3人のワ族の女性。ポウンヨンさんは「食事を通してワ族のことをもっと知ってほしい。そうすれば状況はよくなるのでは」と話している。

 ワ族はミャンマーや中国の雲南省などに住む少数民族。ミャンマー東北部のシャン州の中国国境沿いには武装勢力「ワ州連合軍(UWSA)」が支配する事実上の自治地域があり、「ワ州」などと呼ばれている。アヘンの産地として有名で、ゴールデントライアングルの一角をなす地域だ。ワ州連合軍は、少数民族武装勢力では最大の2万人もの兵力を抱えるとされ、中国との強いつながりが指摘されている。

 アウンサンスーチー国家顧問兼外相率いるミャンマーの新政権は、こうした少数民族武装勢力と和平を進めるため、「21世紀パンロン会議」を開催。8月に行われた第1回会合では、ワ州連合軍の代表は会場のネピドーには赴いたものの、政府側の態度に不快感を示して結局会議には参加しなかったと報じられている。

 こうした中で、ワ族の一般市民の生活をよく知ってもらうと始めたのがルートだ。ワ族の伝統料理であるお粥やバーベキューなどを現代風な盛り付けにアレンジした。店内も外国人デザイナーを起用して、民族楽器などを配置するおしゃれな雰囲気に仕立てている。ワ族のことを知るイベントも店内で開催する予定だという。

【執筆 : 北角裕樹】

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