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タイへの観光は控えた方がいいのか、否か

Global News Asia / 2016年10月27日 9時0分

商業施設などではプーミポンアドゥンヤデート国王の肖像画が掲げられ、記帳台が設けられている。(撮影:高田胤臣)

 2016年10月27日、今月13日にプーミポンアドゥンヤデート国王が崩御し、タイ全体が喪に服している状態にあるタイ。およそ2週間が過ぎた現在もタイ人は悲しみに暮れ、国王の棺が納められている王宮近辺は最後の別れのためにと、タイ全土からタイ国民が訪れている。

 タイは2006年前後から政治的な不安定さが目立っており、たった10年の間に何度も陸軍によるクーデターや反政府集会によって犠牲者を伴う激しい衝突が起こってきた。そのため、外国からタイ旅行を計画していた人々はそのたびに渡航を断念してきた。観光シーズンに収入を見込んでいたタイの観光業者や小売店、飲食店の中には廃業を余儀なくされたところも少なくない。

 タイ国民から敬愛されていた国王の死は近年のタイの騒動の中でも最も大きな出来事で、タイ国外の報道では混乱などを伝える情報もあったようだ。しかし、こういった混乱の情報や、タイ経済が停滞しているといったニュースはほぼ事実とは異なっている。

 タイ国民は自分の父のように国王を敬愛し、心から涙しているのは事実であるが、経済活動は一切停滞していない。タイ政府も公務員は1年間喪に服すことを発表したものの、一般市民に対しては1カ月間のみ派手なイベントを慎むように求めただけで、特別な休日を設けたり、経済活動を縮小させるようなことはしていない。そのため、バーでさえも閉店時間は早めているものの、いつも通りに営業をしている。

 この現状の様子を見て、という話になるが、タイ旅行を計画している人が国王崩御を理由に日程を延期したり中止する必要はないと見る。黒あるいは白の服を着るようにするべきではあるが、治安はこれまで通りであるし、飲食店、商業施設、交通機関もすべて通常通り営業している。イベント自粛は1カ月間の予定であるため、特に年末年始も大きな影響はないのではないかと見られ、むしろタイの観光業界もいまだ外国人旅行者のタイ訪問者数増加を望んでいるところである。
【執筆 : 高田胤臣】

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