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【インド】突然の紙幣無効から1週間、生活への影響続く

Global News Asia / 2016年11月18日 15時0分

デリー

 2016年11月8日、インドのモディ首相が、国内通貨のうち高額紙幣にあたる1,000ルピー、500ルピー紙幣を、翌9日の0時より無効とする発表を行ってからおよそ1週間。当初のような混乱は収まってきたとはいえ、インド庶民の生活への影響は現在も続いている。

 今回の施策の目的は、インド国内に多く出回る偽造紙幣、さらにはそれを資金源とした犯罪への対策、インフレ対策、そして所得隠しによる蓄財を銀行で交換させる脱税対策、と報道されているが、発表からわずか数時間で通貨が無効とされる異例の措置であり、銀行には両替を求める人々が殺到した。9日以降は替わりに新2,000ルピー紙幣、新500ルピー紙幣が利用可能となっているが、交換に十分な新紙幣が金融機関に行き渡るまでもう少し時間がかかりそうだ。

 旧紙幣から新紙幣への両替には4,000ルピーまでといった金額の上限などが定められ、身分証明書も必要となっている。旧紙幣を銀行に預金し、新紙幣として受け取ることも可能だが、当面はこの引き出し額にも上限が定められており、1週間に2万ルピーまでとなっている。また、インドでは銀行を利用していない人も多く、現実的には預金を行えない場合がある。同じように銀行ATMも元々数は少なく、一般的なものでは無いが、現在は使用不可能となっている。

 流通する紙幣の不足から、決済の遅延などが増えており、現時点では商店などで付け払いで買い物をするような状況も珍しくなくなっている。現在も新紙幣の増刷は続けられており、順次、各金融機関に出荷されている最中であり、徐々に混乱は収まると予測されている。インド通貨は国外への持ち出しが禁止されているため、国外での混乱は特に起きていないが、渡航の際は当面の間、注意が必要だ。

【執筆 : Sナカジマ】

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