【フィリピン】深刻なペソ安、100米ドルは5.000ペソ突破か！ 懸念広がるートランプ新大統領に期待

マニラ郊外のショッピングセンターSMのクリスマスツリー売り場、2メートル以上の高さのものが売れ筋商品。

　2016年11月21日、フィリピン・ペソの下落が深刻な状況になっている。このままペソ安が続行すると、100米ドルは5.000ペソを突破する恐れが出てきたからだ。

　一時的には、海外での出稼ぎ者が、米ドルでフィリピンの家族に送金してくるため受け取るペソが増え、消費が堅調になり、経済指標では堅調に見えるデータもあるが錯覚だ。輸出統計や、貿易収支は厳しくなり、フィリピン経済の好転はより難しくなる。

　ペソ安の影響で、輸入商品の価格が上昇。賃金は上がらず生活水準は低下する。最低賃金は設けられているものの、守る余裕もない小規模事業者の元で働いている人には、現実には適用されていない。

　地方のパン工場での日給は、200ペソ。商店の店員で220ペソなど、低賃金で働いている人も少なくない。(月収5.000ペソ前後)

　アメリカへの経済的依存度は高いので、関係の修復も急務、トランプ新大統領への期待が膨らむ。
【編集 : 高橋大地】