【カンボジア】イラクの地雷・不発弾の除去研修を実施
Global News Asia / 2016年12月23日 11時30分
2016年12月20日、JICAカンボジア事務所が発行する「カンボジアだよりNo64」に『イラクとカンボジア、地雷対策で協力 CMACが技術トレーニング「希望を失わず、一歩ずつ」』と題する記事が掲載された。
(記事)地雷・不発弾の除去を担うカンボジア政府の「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」が11月下旬、イラクの地雷対策関係者を受け入れてトレーニングを実施しました。「第三国研修」と呼ばれる仕組みで、イラクとカンボジアの両当事国を、JICAが仲介して実現しました。 CMACは、JICAをはじめとする国際社会の支援を受けながら、カンボジアの長い内戦で使用された地雷・不発弾を、これまでに230万個以上除去してきました。除去の技術だけでなく、 被害者支援や除去後の土地利用など、戦争が破壊した人々の暮らしを復興するためのシステムも作り上げました。その実績は国際的に高い評価を得ており、2010年以降、コロンビア、ラオス、アンゴラに対し研修を実施しています。
イラクとの協力はJICAの田中明彦・前理事長がイラクを訪問した際に支援要請を受けたことがきっかけです。2015年よりイラクとカンボジ アの関係者双方が互いの国を訪れて地雷・不発弾撤去の現状とトレーニングの内容などを話し合い、今回の第三国研修が実現しました。イラクの地雷・不発弾被害の現状は、把握が難しく正確な統計はありません。たとえばアメリカ内務省によると、1,000万個以上の地雷が残っているとされます。また、国際的な地雷対策研究機関The Monitorによるとイラクで確認された被害者は2013年までに31,000人以上とされています。国連のように、被害者を48,000人から68,000人と推定する機関もあります。
今回イラク側からは、クルド州政府の地雷対策局と、イラク政府の内務省および保健環境省から合計24人が来訪しました。11月21日から12月2日で、プノンペンにあるCMACの本部を中心に、地雷除去と被害者支援、除去計画の立て方や除去作業を含む様々な研修をした後、バッタンバ ン州などの実際の除去現場、コンポンチュナン州の地雷除去犬訓練所などを訪れました。さらに地雷・不発弾に関する調査や情報管理の手法、除去後の土地利用などについても学び、修了式には全員に修了証が手渡されました。修了式でCMACのヘン・ラタナ所長は「地雷や不発弾を取り除くだけでなく、その後の人々の暮らしを良くすることも私たちの仕事だ。
平和と安定を実現し、この協力だけでなく、将来は経済的にも両国が協力関係を築けるよう 願っている」と述べました。 イラク側の団長であるクルド州政府地雷対策局のハムザ代表は、「イラクでは多くの市民が 地雷や不発弾の犠牲になっていることを知ってほしい。しかし、十分な資金がなく必要な対策 がとれずにいるのが現状だ。それでも希望を失 わず、一歩ずつではあるができることから始めて、効果を出していきたい」と語りました。イラク側のメンバーは、和平を実現したカンボ ジアの発展ぶりに感激したようで「イラクに戻ったら同僚や仲間たちにカンボジアのすばらしさを伝えたい」と話していました。
【編集 : YT】
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