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【ミャンマー】プロラウェイファイターの金子選手、地元強豪相手に1ラウンドKO勝利

Global News Asia / 2017年1月3日 9時0分

ルワンチャイ選手をコーナーに追い詰める金子選手(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2016年12月29日、日本人唯一のプロラウェイファイター、金子大輝選手がヤンゴンで開催されたラウェイ大会で、ミャンマーの無敗の強豪ルワンチャイ選手を相手に1ラウンドKO勝ちし、目標のベルトに向け初勝利を挙げた。

 試合は激しいパンチの応酬で始まった。金子選手は開始直後にパンチを当てられしりもちをついたものの、その後は積極的に前に出てルワンチャイ選手に圧力をかけながら、相手のガードのすきを縫って左右のパンチを繰り出した。金子選手はコーナーに追い詰めてのラッシュで攻めるなど相手を圧倒し、1ラウンドで2度のダウンを奪った。2度目のダウンでルワンチャイ選手のセコンドがタイムを要請。深いダメージを負ったルアンチャイ選手は再びリングに出てくることはなく、金子選手のKO勝ちが決まった。

 金子選手は試合後に「どんなにボロボロになっても立っていようという覚悟で試合に臨んだ」と振り返った。そのうえで、「ここまで来られたのは多くの人の助けがあったから。それがなければリングに立つことすらできなかった。精神的にも支えられた」として、異国での挑戦の苦しさを吐露した。

 この日の試合は、カレン民族の新年祭に合わせて開催されたもので、屋外の特設ステージは観客が座りきれないほどの超満員となった。金子選手の雄姿を見たミャンマー人らは次々と終了後に握手や写真を求めた。金子選手は今後もラウェイのチャンピオンを目指して活動を続け、2017年春には、タイとの国際マッチにミャンマー代表として出場する方向で調整が進んでいる。

 ラウェイはミャンマーの伝統格闘技。キックボクシングに似ているが、頭突きや立っての関節技なども認める過酷なルールだ。判定はなく、KOでしか決着がつかない。ダウンしても、一回だけタイムをとって休憩することができる。グローブは着用せずバンテージの拳で殴り合うことから、「素手のムエタイ」「世界で最も危険な格闘技」などと呼ばれる。

【執筆 : 北角裕樹】

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