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バンコクBRT廃止が日本人観光客に与える影響は? ー中国製バスの採用も失敗の一因

Global News Asia / 2017年2月25日 9時0分

使用されているバンコクのBRT専用バス(中国製)。導入台数も25台程度と少なく、BTSやタクシー、あるいは通常の路線バスを利用した方が移動が早かった。(高田胤臣撮影)

 2017年2月25日、バンコク都のバス高速輸送システム「バス・ラピッド・トランジット(BRT)」が今年4月末に廃止され利用できなくなることで、日本人観光客やバンコクの長期在留邦人にどんな影響があるのか。

 BRTは2010年5月にサービスが開始されたものの、利用客の増加が見込めず、12億バーツもの損失を出してわずか7年で廃線となる。運営は高架鉄道スカイトレインのBTS社に委託され、プリペイドカードなどスカイトレインと共通のサービスもあったが、乗客獲得への吸引力にはならなかったようだ。

 BRTのルートはBTSシーロム線チョンノンシー駅と直結するサートーン停留所から、2013年に2月に開通した同じくBTSシーロム線タラートプルー駅間近のラーチャプルック停留所を12の停留所で結んでいる。この間、外国人向けの観光名所としてはナイトバザールの「アジアンティーク」があるくらいで、ルートから近いところに存在するもののBTSサパンタークシン駅からの方が行きやすい。それ以外はタイ人の一般生活圏で、日系企業なども少なく、日本人が足を運ぶようなところは特にない。

 使用されている車両は中国製のBRT用のバスで、乗車定員数も少なく、車内はエンジン音が大きい上、座席の座り心地も悪い。また、ルートは半分は専用レーンではあるが、半分は一般道路と混在している状態で、ラッシュアワーは渋滞に巻き込まれ、BRTとしてのメリットが無い。ルート上に自宅や職場がある人以外はBTSシーロム線を利用した方が移動は早く、かつ距離も短くて済む。

 乗客数も見込めないことから早くに一律5バーツへと運賃の値下げを実施したこともあったが、残念ながらBRT廃止は免れなかった。そして、この廃止によって日本人観光客などにとってもなんら影響はない。
【執筆 : 高田胤臣】

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