予想外! 北朝鮮のミサイル発射は? 対中国? 対韓国? 対国際社会?
Global News Asia / 2017年5月15日 18時32分
2017年5月15日、北朝鮮は6回目の核実験こそ踏み止まっているものの、ミサイル発射をこのタイミングで強行した理由は何か。中国北京では「一帯一路」に関する中国にとって重要な国際会議が開催されており、当の北朝鮮も参加しているのだ。フランスメディアは発射理由を「祝砲」と報じたが、それはジョークにもならない。会議開催に合わせて国際社会へのアピール的な意味合いもありそうだ。
もう1つは、5月9日に韓国大統領に選ばれた文在寅(ムン・ジェイン)大統領への、何かしらのメッセージも考えられる。文大統領は北朝鮮との対決一辺倒ではなく、対話路線をとると主張しており、北朝鮮にとっては都合がいいはずだ。しかし、選ばれた早々にミサイル発射では逆効果になるのではないかと思うのだが、歴史を少しさかのぼれば、同じように北朝鮮に融和的な政策をとった金大中(キム・デジュン)時代にも、北朝鮮はミサイルを発射している。
故金大中氏が大統領に就任したのは、1998年2月25日で、その半年後の8月31日にテポドン1号を発射しているのだ。当時日本は小渕政権だった。
金大中大統領が太陽政策と呼ばれる、北朝鮮に対して融和的な政策を実施し、故金正日総書記と平壌で会談したのは2000年6月のことだ。同年、金大中氏は現時点でも韓国人唯一となるノーベル平和賞を受賞している。
ちなみに、1998年8月のテポドン1号以降は、金大中時代でのミサイル発射はない。しかし、同じく親北政権と言われた盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代の2006年7月にも、ミサイルを発射している。そう考えると北朝鮮のミサイル発射は、韓国が親北融和的な政権だからとか、非融和的な政権だからはあまり関係なさそうで、親北政権を巧みに利用して「南北交渉を、北が優位に進めたいから早く動け」程度の意味合いしかないという、大方の研究者の見解は現実的だと言えそうだ。
【執筆 : 中野 鷹】
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