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海賊版DVDとして販売される日本の映画や連続ドラマータイ

Global News Asia / 2017年5月27日 9時0分

字幕を付ける業者が日本国外にあり、そこから流出しているともいわれる海賊版の邦画。字幕にもクオリティーがあり、正規版と変わらないものや、日本語初心者が訳しているとしか思えないものもある。(高田胤臣撮影)

 2017年5月25日、タイはSNSの発達や社会の成熟により「権利」について考える人が増えてきている。一方で、市場や商業施設ではコピー品の販売もいまだに多い。

 海賊版DVDなども多く出回っており、タイ政府は時折取り締まりを強化して販売店を摘発するが、イタチごっこの様相で、海賊版DVD販売者の数は減ることがない。

 バンコク中心地の大型商業施設ではあまり見かけないが、郊外にある顧客ターゲットの商業施設では堂々と海賊版DVDが販売されている。ジャンルは海外ドラマが人気で、特に韓国のテレビドラマや映画が多いが、中には邦画や連続ドラマも売られている。現在は1枚80バーツ(約240円)が相場のようだ。120バーツ~60バーツで売られていた時期もあった。

 映画であればDVD1枚に1本、ドラマだと1枚につき2~4話が収録されている。例えば、映画ならそのまま80バーツしかかからないし、10話の連続ドラマだと4枚セットになっていて、320バーツ(約960円)で売られる。

 日本のドラマの場合、放送終了後1カ月以内には店頭に並んでいるようだ。画像は比較的きれいなものが多く、デジタル機器で録画したものを編集しているか、公式DVD発売後にコピーしていると見られる。前者の場合、コマーシャルなどが入ったままの場合もあり、多くが地方の企業のものになる。恐らく地方局の放映分を録画していると見られる。

 映画の場合も同様で公式DVD発売後が多いが、映画館での盗撮のものもある。後者は当然画質が落ちるし、館内の雑音でそれとわかる。ただ、タイ全体で見ると邦画人気は高くないので、販売されるのはかなり遅く、中国など他国にルートがあると見られる。

 ルートや販売元を店主に尋ねると「教えられない。それ以上深入りするとあなたの命はない」と脅された。簡単にいえば、タイ・マフィアが暗躍しているのだという。

 販売されている海賊版には、タイ語字幕も付いており、場合によっては翻訳者の連絡先まで掲載されていることもある。顧客ターゲットはあくまでもタイ人。

 数年前までは需要があって、タイ語や英語の字幕のない日本作品の海賊版は確かにあった。しかし、今はほぼ必ずと言っていいほどタイ語字幕がある。それは7万人以上いるとされる在住日本人からの需要が下がってきているかではないか。バンコクでは日本人向けにネットや衛星放送など日本のテレビ番組を視聴できるサービスがいくつもある。そのため、わざわざ海賊版DVDを求める人がいなくなっているのだ。

 正式に販売許可が出されている邦画や日本のドラマなどのDVDもあり、タイなら日本よりも安く購入できる。海賊版でなく、正規版を買うようになってほしいところだ。
【執筆 : 高田胤臣】

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