【インドネシア】S&Pが「投資適格級」を付与、債券市場への期待高まるーHSBC投信
Global News Asia / 2017年5月23日 9時0分
2017年5月22日、HSBC投信はインドネシアの経済レポートを伝えた。大手格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が19日、インドネシアの現地通貨建長期国債および外貨建長期国債の格付けを投資適格級の「BBB-」へ引き上げることを決定した。
これで、大手格付会社3社の全てがインドネシアを投資適格級に決定したことになり、引き続きインドネシア債券市場について強気の見方を維持している。
(レポート)S&Pが待望の格上げを発表
大手格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は19日、インドネシアの現地通貨建長期国債および外貨建長期国債格付けを非投資適格級の「BB+」から投資適格級の「BBB-」へと各々1段階引き上げ、見通しを「安定的」とすることを発表しました。
S&Pは今回の格上げ理由について、インドネシア当局が財政安定化に向けて効率的な歳出と歳入対策に取り組んでおり、「現実的な予算編成や税制改革が同国の財政リスクを引き下げ、財政赤字も徐々に改善へ向かうことが見込まれる」ためとしています。
インドネシアでは2015年5月に同社が格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引上げて以来、格上げが期待されてきました。市場では格上げが相応に織り込まれていたこともあり、22日の日本時間午前11時現在、インドネシア国債市場および通貨ルピア(対米ドル)はともに僅かな上昇にとどまっています。
S&Pの格上げを受けて、資金流入の加速へ高まる期待
今回のS&Pの決定を受け、インドネシアの格付けは大手格付会社3社すべてが「投資適格級」を付与したことになります。
これにより、大手3格付会社による投資適格を投資条件とする日本の機関投資家など海外投資家からの資金流入が期待されています。HSBCグループでは、今回の格上げに伴い、インドネシア国債市場に20~30億米ドルの資金が流入する可能性があると推測しています。
HSBC投信では、今回のS&Pの格上げは、海外からの投資資金を惹きつける大きな誘因になると見ており、インドネシア債券市場にとりプラスに働くと考えます。
また、インドネシアの経済環境は全般的に良好であり、財政収支および経常収支が改善傾向にあります。インフレ率については、電力料金の段階的な値上げを背景に、今後上振れる可能性がありますが、引き続き中央銀行の目標レンジ(4±1%)内に収まると思われます。
加えて、外貨準備高が継続して増加傾向を辿る中、インドネシア銀行(中央銀行)がルピア相場急変時の対応力を高めている点も注目されます。
このようにインドネシア債券市場を取り巻く投資環境は良好であり、HSBC投信では引き続き同市場について強気の見方を維持します。
【編集 : PK】
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