【カンボジア】教育の質向上を目指し「教員養成大学」誕生へーJICA
Global News Asia / 2017年5月28日 9時0分
2017年5月19日、JICAカンボジア事務所が発行する「カンボジアだよりNo69」に。『教育の質を高めるプノンペンとバッタンバンで4年制の「教員養成大学」誕生へ 』と題する記事が掲載された。
(記事)カンボジアで今、教育を支える「教員の質」の向上が課題になっています。多くの子どもたちが小学校や中学校へと進むようになりましたが、子どもたちが充実した教育環境で学業を修めるためには、教師の力が重要です。
そこで、現在2年制の教員養成校を4年制の教員養成大学(TEC)へと移行する事業が、JICAの協力で今年1月から始まりました。この「教員養 成大学設立のための基盤構築プロジェクト(E- TEC)」では、まずプノンペンとバッタンバンの 小・中学校教員養成校を「プノンペンTEC」および「バッタンバンTEC」へと格上げし、2018年度にこの学士課程の第1期生を迎える予定です。プロジェクト期間が終わる2022年度には初めての卒業生を送り出し、さらにこの取り組みを全国へと広げるための基盤ができる計画です。
現在、教員養成校への入学の条件は「国家試験である中等教育修了資格試験で合格すること」となっています。試験結果は最高のAから、不合格のFまで6段階で評価されますが、世界銀行の報告書によると、小学校教員養成校入学者の約8割、中学校教員養成校入学者の約7割が、DまたはEの「成績下位グループ」であると指摘されています。
E-TECのチームリーダー、高橋光治さんによると、その理由のひとつには教員の待遇の悪さがあるといいます。社会で尊敬され、高潔さが求 められる職業でありながら、給与は十分ではなく、指導環境も整っていません。教師たちが安 心して教育への情熱を持ち、知識や技術を磨く状況にあるとはいえないのです。
カンボジア政府による教育改革も少しずつ成果を上げているといわれます。例えば、中等教育修了資格試験でのカンニング防止などに教育省が厳しい姿勢で臨んだことは記憶に新しいことでしょう。その結果、合格率が上がってきています。 また、教員養成校に成績優秀者を優先入学させる試みも一部で実施されています。教師の給料は 2013年に約78ドルだったものが、今年4月には 約3倍の230ドルに伸びているそうです。
しかし、学力の底上げや教育の質の改善は、たった数年で実現するものではありません。12年の中等教育を終えた学生でも、依然、国語力の低さをはじめ深刻な問題が指摘されます。またカンボ ジア政府が経済政策として重視する産業人材の育成も、基礎教育の改革なくしては実現しません。
JICAでは、このプロジェクトと並行して、教員養成大学の教員となる人材が4年間で計20名、日本の大学院に留学するための奨学金プログラムも実施予定です。またプノンペン、バッタンバンのTECを建設する「教員養成大学建設計画」も実施します。
【編集 : YT】
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