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【タイ】首相が批判した歌手のコンサートに長蛇の列ー実は以前から

Global News Asia / 2017年6月26日 9時0分

昨年話題になって叩かれたビキニ衣装でのステージ(そむちゃい吉田撮影)

 2017年6月16日、ラムヤイ・ハイトーンカム。20歳にもならない女の子が突然、一国の首相に名指しで批判されたことから、一躍時の人になってしまったようだ。タイ東部チョンブリーで行われたコンサートには、約3,000人が押しかけ長蛇の列ができたという。しかし、事情通からみると事態は全く違っているようだ。

 タイの2チャンネル的な口コミ情報サイトに、16日チョンブリーで行われた彼女のコンサートに3,000人超が押しかけ、長蛇の列を作ったと掲載された。しかし、その一方でラムヤイさんのコンサートは、首相に批判される以前から超満員で、たまたま首相の発言で知った人が、数割増えただけだろうととの見方もされている。

 話題になる以前から彼女を知る音楽関係者によると「昨年のビキニ騒動で名前が売れて、一回2,000バーツだったギャラが一気に45,000バーツに跳ね上がった。しかし、それは長く続かず半年後には5,000バーツくらいに落ち着いたんです。そして、昨年末にリリースされた「プサーオカーロッ」が大ヒット。やっとここで歌手としてのラムヤイが認められたんです。そのヒット曲以来、1日に3〜5カ所をかけ廻る超売れっ子となって、どこのコンサートを見ても、ギッシリと超満員。たまたま首相が批判したことで、テレビが取り上げていますが、それよりずっと前からすでにこんな状態で、珍しいことではないんです。それに腰ふりダンスがタイの文化にそぐわないと言うなら、昔のタイ伝統舞踊で、上半身が裸で踊っている写真があるのは、どういうことなんでしょうかね」と苦笑しながら説明してくれた。

 また、ネットでのコメントは大きく3つ分かれている。純粋に彼女のファンと思しき応援コメントが一番多く、続いてエンターテイメントなんだからいいじゃないか。というファンではないものの容認するコメント。しかし、鼻から下品だ、はしたないと決めてかかっているコメントも見受けられる。

 これは、一つには隔絶されたタイの社会構造も影響している。地方出身者や収入の少ない庶民に対して、バンコクの中流以上で育った層の人は、地方(特に東北部)そのものを見下していることも多く、そのステレオタイプなまま、まともに見ることも聞くこともない人たちだ。

 今回の記事も、こうした一連の流れやラムヤイ本人のことを知らない記者によるもののようだ。彼女自身は、いたって普通の10代の女の子。以前テレビ番組で語っていたように、キツいスケジュールも両親を楽にしたいという親孝行ものなのだ。そんな彼女がタイの文化にふさわしくないのなら、いったいタイにふさわしい規範はどこにあるというのだろうかという疑念も湧いてくる。今、彼女のファンたちはそうした思いに囚われているのは間違いない。

【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】

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