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【インド】歴史的な税制改革がスタートーHSBC投信

Global News Asia / 2017年7月5日 20時22分

インド

 2017年7月5日、HSBC投信は、インドの歴史的な税制改革について伝えた。

 (レポート)インドで2017年7月1日、物品サービス税(GST)が導入された。これは1947年の独立以来最大の税制改革であり、これまで中央政府、州政府、地方政府が各々課してきた複雑な間接税を全国的に統一するものである。14の異なる税が一本化されることで、ビジネス環境、ビジネスの容易さが大幅に改善することが見込まれる。

 GST方式の全国横断的な物品税の構想は、2000年にインド人民党(BJP、現在はモディ首相率いる国政与党)政権下で作成され、2006年度(2006年4月-2007年3月)予算案にその提案が盛り込まれた。その後、政権を担当した国民会議派(現在最大野党)は、2010年からのGST導入を計画したものの、実現に向けた準備は進まなかった。2014年の総選挙でモディ政権が誕生すると、憲法改正を含むGST導入への動きが進展し、本年7月からの開始に至っている。

 実際、GSTは政策当局にとり極めて困難な課題であった。これまでインドでは、憲法の規定に基づき、製品に対する課税権(対製造業者、小売業者)は中央政府及び州政府に、サービスに対する課税権は中央政府のみに与えられていた。GSTを導入するためには、まず29の全ての州が製品への課税権を放棄する必要があった。

 しかも、インド各州では、様々な国政レベル、地方レベルの政党が勢力を握っており、異なる利害を巡り対立していたことから、事態は一層複雑であった。こうした中で、モディ政権は、各州で次々と政治的コンセンサスを形成し、GST導入の実現にまでこぎつけたのである。

GSTがインド経済の潮流を変える

 物品サービス税(GST)は、インド経済の構造変革に大きく寄与すると見られる。第一に、GSTはより多くのビジネスを公式な税体系に取り込み、インドの非公式経済の公式化を促すことが見込まれる。これは低水準にある税収の対国内総生産(GDP)比の向上にもつながるだろう。また、GST自体は税収中立を想定しおり、短期的には税収効果は見込み難いが、長期的には税法令の遵守レベルの改善にともない、大幅な税収増が期待できる。

 第二に、GSTは、州境税を撤廃することで「単一市場」の創設を可能にする。これは州をまたぐビジネスを手掛けるインド企業に対し、物流面での大きな障害を取り除くことになる。

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