【ミャンマー】ラウェイ金子、王者に2RのTKO負け ドクターストップで雪辱ならず
Global News Asia / 2017年7月31日 7時15分
2017年7月30日、世界で最も危険と言われるミャンマーの格闘技、ラウェイ唯一の日本人プロファイター、金子大輝選手がヤンゴン・テインピュースタジアムで地元王者のタペーニョ選手と対戦した。第1ラウンドから豪快な打ち合いを見せたが、右まぶたに傷を負った金子選手は第2ラウンド開始直後に大量に出血。ドクターストップでTKO負けとなった。タペーニョ選手は、昨年2月にも対戦して敗北を喫した因縁の相手だが、リベンジはならなかった。
試合は開始直後から両者の激しいパンチの応酬となった。金子選手は細かいジャブを当て王者を後退させるほか、ローキックで転倒させるなど優位に試合を運ぶ場面が目立った。金子選手がパンチや肘を繰り出すのに対し、タペーニョ選手は時折頭突きをヒットさせた。第1ラウンド後半には両者の顔面から出血し、バンテージやパンツが鮮血に染まった。
第2ラウンドも金子選手のパンチがヒットする場面が多かった。しかし、激しい打ち合いの中で、第1ラウンドのタペーニョ選手の頭突きでできたとみられる金子選手の右まぶたの傷が第2ラウンド開始直後に開き、大量に出血。ドクターが試合を止め、金子選手のTKO負けが決まった。
金子選手の右まぶたの傷は13針を縫う結果となった。試合終了後に金子選手は「この結果が今の自分にできるベストだという思いと、勝てない試合ではなかったという思いが両方あり、悔しい。ベルトを持ち帰れず、応援してくれた人たちに申し訳ない」と語った。
試合を止められたと言え、地元王者相手に善戦した金子選手がリングを降りる際には、スタジアムの観客からひときわ大きな拍手が起こった。観戦した地元ジャーナリストは「ミャンマーで戦うほとんどの外国人ファイターはムエタイなど別の格闘技の選手だが、ラウェイを専門に戦う選手は少ない。ラウェイを選んだ金子選手をミャンマー人は評価している」と話した。
ラウェイはミャンマーの伝統格闘技で、その凄惨さから「世界で最も危険な格闘技」「素手のムエタイ」などと呼ばれる。グローブはつけずバンテージのみで殴り合う。肘打ちや頭突きに加え、立った状態での関節技や投げ技も認められており、KOでなくては勝負がつかない。日本で総合格闘家として活動していた金子選手は2016年にヤンゴンでタペーニョ選手に敗れたことから、ラウェイファイターになることを決意。ラウェイのチャンピオンベルトを巻くことを目標として、日本とミャンマーでトレーニングを重ねていた。
【執筆 : 北角裕樹】
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