日本の国際化を、映画のように解き明かす書籍「天孫降臨 日本縄文書紀」が発売
Global News Asia / 2017年8月25日 9時15分
2017年8月25日、花伝社から、信太謙三 しだ けんぞう著「天孫降臨 日本縄文書紀」(1500円+税)が発売された。
書籍の内容は、IT技術の発展、インターネットの普及、人とモノの流れの拡大などによって、地球規模での国際化が急速に進んでいる。勿論、わが日本も例外ではない。が、この大きな潮流に逆らうように、国内では偏狭なナショナリズムが頭をもたげ、特定の人種や民族などに対する極端な誹謗中傷、いわゆるヘイトスピーチが横行し、韓国料理店や韓流ショップなどが軒を連ね「コリアタウン」とも呼ばれる東京新宿区の新大久保では在日韓国・朝鮮人に向けて「出て行け!」などと連呼する街頭行動も起きている。
しかし、歴史を振り返ってみれば、それが何と浅はかなことかすぐ分かる。古代日本はまさに国際化の時代の真っただ中にあって、中国大陸や朝鮮半島、東南アジアやロシア極東地域、南太平洋などから、さまざまな人たちが日本列島に移り住み、国家としての基礎を作り上げていった。
本著は日本で稲作が始まったとされる今から2300年前の縄文晩期を舞台にしたエンタメ小説。日本列島の先住民である倭人の娘と中国大陸の戦乱から逃れた華人の息子との間に生まれた巫女ポポが、朝鮮渡来人の血も引く甥のタケと共に、チクシ(筑紫)支配を狙う半島のカラ国や稲作のために倭人から土地を奪おうとする半島からの渡来人と戦いながら、日本で初めての国を造り上げていくという物語。古代船での大航海あり、脱獄あり、大海戦あり。男女の悲しい恋もあって、決して読者を飽きさせない。フィクションと言いながら、当時の日本の国際化の状況を、綿密な歴史研究に基づき、まるで映画のようにみせてくれる。
著者は時事通信社で北京と上海の支局長を務めたジャーナリストで、東洋大学で10年間教鞭をとった人物。著者は「日本という国がいったいどういう国で、日本人がどういう民族なのか、この物語を楽しみつつ、考えてもらえばありがたい」と語っている。
【執筆 : ジャーナリスト・井上雄介】
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