【ミャンマー】同性愛テーマのドキュメンタリーが上映中止 ワッタン映画祭、スーチー政権でも続く事前検閲
Global News Asia / 2017年9月7日 16時15分
2017年9月6日、ミャンマー最大の映画祭である「ワッタン映画祭」が開幕した。その前日、映画祭事務局は、ノミネートされていたドキュメンタリー映画の「ア・シンプル・ラブストーリー」(ニンパパソー監督)の上映を取りやめたと発表した。同映画は同性愛者の恋愛がテーマで、規制当局の事前検閲で内容の変更を求められ、制作者側が拒否した。
同性愛を認める趣旨のメッセージを含んだシーンが問題視されたという。映画を見た関係者は「何が問題なのか、全く理解できないかった」と話している。ワッタン映画祭では、同映画を映画館では上映はしないものの、コンペの審査対象とする。
ミャンマーでは、長い軍事政権下で厳しい情報統制が敷かれ、検閲当局は日本軍占領時代の憲兵隊になぞらえて「キンペイタイン」と呼ばれて記者やクリエイターに恐れられていた。2011年の民政移管で誕生したテインセイン政権では、日刊紙の発行が認められるなど検閲が一部緩和された。
総選挙を経て2016年にアウンサンスーチー外相兼国会顧問が事実上率いる国民民主連盟(NLD)政権に移行してからも、前政権の方針を受け継ぐかたちで、映画などの事前検閲は続いている。関係者からは「むしろテインセイン政権時代よりも検閲が厳しくなったと感じる」という声すら漏れている。2016年の「人権と尊厳の国際映画祭」でも、ミャンマー軍に批判的な描写があるとされた「ビルマの黄昏」が上映中止に追い込まれて問題化した。
同映画祭は、ミャンマー最大の独立系映画の映画祭で、若手映画人の登竜門として知られる。ドキュメンタリーやフィクションのコンペが行われるほか、海外の映画が上映される。日緬合作の短編映画「一杯のモヒンガー」(ミャンマー語原題:Mohingar Tapwe!! )がノミネートされていることでも話題を集めている。
【執筆 : KLH】
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