ホーチミン市の中華街は最もホーチミンらしい雰囲気を醸す
Global News Asia / 2017年10月30日 9時15分
2017年10月27日、ベトナム南部は大都市ホーチミンを中心に著しい発展を遂げている。特にホーチミン市の中心は高層ビルが乱立し、現在も新しい建築物の建設で工事現場が目立っている。市中の飲食店も欧米からのチェーン店も多数進出。街全体がベトナムらしい雰囲気が減ってしまい、欧米、あるいは東京のような雰囲気になりつつある。
そんなホーチミンでベトナムらしい雰囲気を味わえるのは、中華街とされる地域ではないだろうか。日本のガイドブックではチョロンと呼ばれるエリアで、ホーチミンの華人のほとんどが暮らすとされ、歴史を紐解けば1780年前後にはこの中華街が形成されていたようである。
中国系移民が移住してきたことから、この地域は漢方薬店や中華料理店が多い。首都ハノイは嫌中感情から中華料理店ですらあまり見かけないので、ベトナムではかなり珍しい光景でもある。ただ、中華街といっても日本の横浜などの街並みとは違って、看板は漢字とベトナム語が併記されていること、さらに建物などはあくまでもベトナム様式であることから、ぱっと見た感じではベトナム国内の普通の街と大差はない。
そんなチョロンは夜になれば飲食店や商業施設、夜市のようなものが煌々と明かりを灯し、たくさんのベトナム人が押しかけ、食事や買い物を楽しむ。その喧騒は日本人がイメージするベトナムらしい姿により近いこともあって、ホーチミン市で最もベトナムらしいのがこのチョロンだと感じる。
ただ、この地域は人が集まることと、中間層未満の経済力の世帯が集まる8区が隣接していることからホーチミンの中でも際立って治安が悪いとされる。命にかかわる危険性はあまりないが、スリや置き引きなどは日常茶飯事であるとされるので、訪問の際は周囲に十分に注意を払いたい。
【執筆 : 高田胤臣】
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