1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. アジア

インド経済レポート「グジャラート州議会選で国政与党BJPが6期連続の勝利」ーHSBC投信

Global News Asia / 2017年12月26日 13時15分

 グジャラート州議会(定数182)選挙におけるBJPの獲得議席数を見ると、当初の強気の予想を大きく下回る99議席にとどまった。これは、前回(2012年)より16議席少なく、2002年以来最低の結果である。しかし、2017年選挙を別の角度からみると、違う展開が見えてくる。すなわち、BJPの得票率は1ポイント伸び49%となっている。また、地域別には、都市部での議席獲得率がおよそ78%と高水準に達している。他方、国政野党の国民会議派の支持者が多い地方・農村部において、BJPは苦戦を強いられている。

 国民会議派はグジャラート州選挙で、改選前より16議席多く、1985年以来最高となる79議席を獲得した。国民会議派は今後予定されるラージャスターン,マディヤプラデシュ、チャッティースガル各州の議会選挙で善戦すると予想されている。これら3州は、困窮に苦しむ農村人口が多く、BJPには厳しい選挙戦となりそうだ。

 地方選挙の結果を予想して、それに基づいてインド資産の運用を判断することは、グジャラート州選挙の結果からも明らかなように、賢い戦略ではないと思われる。前述のように、グジャラート州選挙では、BJPが勝利し、得票率を1ポイント伸ばしたにもかかわらず、議席数は16減となった。グジャラート州のように2つの主要政党間で激戦となる選挙では、得票率のわずかな変動が獲得議席数を左右する可能性がある。

 インドでは、2018年も主要州で議会選挙があり、2019年には連邦議会下院(定員545)総選挙が予定されている。それらに備えるBJP(2014年下院選で282議席獲得)は、グジャラート州選挙の結果から重要な教訓を学んだはずである。それは政府への要求が都市部と地方では異なることだ。BJPを引き続き支持することが予想される都市部の有権者は政府が約束した景気と雇用の拡大の実現をじっと待ってくれるだろう。しかし他方で、地方や農村部の有権者は天候不順と農産品価格の変動による影響を長期的に軽減してくれる抜本的な構造改革を求めている。

 モディ政権が2014年5月に発足してから3年半あまりが過ぎたが、その経済改革はこれまでと概ね同じペースで進められるだろう。BJPは今後、都市部の有権者を意識した経済政策と地方の貧困救済策との間でバランスを取りつつ、財政規律も維持していかざるを得ない。当社では、地方経済の長期的な改善を実現するための唯一の方法は、製造業とサービス業における雇用創出だと考えている。その意味で、政府が今後数ヶ月で道路、橋、空港、都市部地下鉄路線の建設などのインフラ整備と住宅供給策を推進すれば、BJP支持層が大きく伸びる可能性はある。また、政府は農産品に関する最低支持価格(MSP)制度と全国雇用保障法(MNREGA)に基づく救済策を充実させることも見込まれる。
【編集 : CN】


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください