中国によるマレー半島横断運河の建設にインドが警戒感
Global News Asia / 2018年4月8日 9時15分
2018年4月6日、インドメディアによるとマレー半島のタイ国領内に建設が模索されている運河について、中国がロビー活動を活発にしていることについて、インドが警戒感を強めている。
クラ地峡は、マレー半島の北部タイ王国領内チュムポン県とラノーン県の一帯で、インド洋とタイ湾の挟まれた陸地部が最も狭くなっている地域。西部にクラ川があることから、クラ地峡と呼ばれる。クラ川上流部とタイ湾の間は、わずか44キロメートルの幅しかない。
この地域に運河を掘るという構想は、古くからあったが、中国によるタイ政府へのロビー活動が活発の度合いを増しているという。これは、一路一体構想と関連して、南シナ海とインド洋を結ぶ海路としてマラッカ海峡を回る現在のルートに比べて、時間的にもコスト的にも、大きなメリットがあると見込んでいるためだ。
こうした動きについて、インド当局ではスリランカに建設された港がその費用返済を巡って、実質的に中国の管轄下に置かれたことや、スエズ運河、パナマ運河など最終的には建設に携わった列強国が、実質的な支配権を握っているという現状から、いずれ中国がタイの実権をも掌握するようになるのではと危惧されている。
マレー半島に運河を掘りインド洋とタイ湾を結ぶという構想は、古くは1677年にナライ王がフランスに技術的な可能性を探るよう依頼したのをはじめ、1858年にはイギリスが、建設許可を得たものの資金不足により頓挫。その後、第2次大戦時に旧日本軍による建設を阻止するため建設をしない条約を結んだ。また、1970年代には米ソ両国双方から、原子爆弾を掘削に用いる計画を打診されたこともあるなど、その歴史は紆余曲折を得て4世紀に及ぶ。
クラ地峡の運河開発は、日本政府も以前から関心を持ってタイ政府の動向を探っている。これは、タイの新高速鉄道計画についても、チェンマイーバンコクなどの南北ルートよりも、ミャンマーとベトナムにつながる東西ルートを重視する姿勢を見せていることと連動して、あくまでもインド洋から日本へのルート確保に主眼を置いていることがわかる。こうしたことから、日本政府は今後インド政府と連携することが、中国への牽制としても有効になるのでないだろうか。
【翻訳/編集 : そむちゃい吉田】
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