【インドネシア 】政策金利を0.25%引き上げ5.50%へーHSBC投信レポート
Global News Asia / 2018年8月17日 9時45分
2018年8月15日、インドネシア銀行(中央銀行)は、政策金利を0.25%引き上げ5.50%とすることを決定した。利上げの背景には、トルコリラ急落を受けた新興国全般の通貨安懸念、ルピア相場の安定化に向けた中央銀行の強い姿勢は、インドネシア金融市場の下支えになるとみられる。
(HSBC投信レポート)インドネシア銀行(中央銀行)は8月15日の月例理事会で、政策金利である7日物リバースレポ金利を0.25%引き上げ、5.50%とすることを決定しました(即日実施)。中央銀行は5月と6月に3回、合計で1%の利上げを実施しており、今回は4回目となります。
利上げの背景には、トルコリラ急落の余波を受けた新興国通貨全般の動揺があります。中央銀行は、今回の利上げの理由について「国内金融市場の魅力を維持し、経常赤字を安全な範囲で制御するため」と説明し、また「トルコの影響が波及する可能性も含め、外的リスクへの警戒を続ける」としています。
なお、今回の利上げは市場の大方の予想に反するものであり、利上げ発表直後はインドネシアルピアは反発、債券市場は上昇しました。しかし、その後は売り戻され、結局、ルピアの対米ドル相場、10年物国債利回りはいずれも前日比ほぼ変わらずの水準で取引を終えました。
債券運用担当者の見方
最近の米ドル高と新興国通貨全般の下落を受けたインドネシアの中央銀行の利上げは、ルピアに金利差の妙味をもたらしています。また、中央銀行は引き続き為替と債券の双方に市場介入をし、投資資金の流出を抑えることが見込まれます。
今後、中央銀行は国内の経済動向と世界経済、金融市場の動向を一層重視すると思われます。例えば、中央銀行は4-6月期の経常収支赤字の拡大に懸念を示しています。輸出や観光の振興、輸入依存度の低減などが重要課題となりますが、金利の引き上げも内需を抑制し、経常収支の改善に繋がります。
中央銀行は次回の政策会合の日程を、米連邦公開市場委員会(FOMC)に合わせて、9月27日に変更しました。市場では9月のFOMCで米国の利上げを見込む向きが多く、新興国市場の動揺が続くようであれば、次回会合で再び利上げを行う可能性があると思われます。
中央銀行がルピア相場安定に向けて毅然たる態度を示し、予防的に動いていることは、インドネシア金融市場の下支えになると見られます。
インドネシア債券市場を取り巻く環境は概ね良好と当社は見ています。インドネシアの経済ファンダメンタルズは比較的健全であり、特に、国内のインフレ率が落ち着いて推移していることは、債券市場にとりプラスに働くと考えられます。また、インドネシアの外的ショックに対する耐性は過去と比べて大きく改善している点も注目されます。
【編集 : MO】
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