【ミャンマー】ロイター記者2人に禁固7年 「逮捕は罠」との証言退ける スーチー政権で新たな「政治犯」
Global News Asia / 2018年9月3日 20時30分
2018年9月3日、ラカイン州のイスラム教徒虐殺事件を取材していたロイター通信の記者2人が国家機密法違反で逮捕・起訴された事件で、ミャンマー最大都市ヤンゴンの地区裁判所は、ワロン記者、チョーソーウー記者に対して、それぞれ禁固7年の判決を言い渡した。弁護側は不服として、控訴する方針だ。判決を受けて欧米諸国は相次いで批判声明を発表。民主化で誕生したアウンサンスーチー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)政権下で新たな政治犯が生まれている形で、政権のイメージダウンは避けられない情勢だ。
事件は、2人の記者が警察官と食事をした際、ラカイン州の部隊配置などが記された機密書類を渡され、その直後に別の警察官に逮捕されたもの。予備審問では、事件にかかわった警察官が「機密書類を渡した後に逮捕する罠だった。上司から命令された」と証言していた。
判決でイエルイン裁判長は、この警察官の証言を「信頼できない」と退けたうえで、この書類のほかにも多数の機密書類を2人が保持し、携帯電話ソフトなどで送信していたと指摘。国家に害をなす行為で、国家機密法違反に当たると認定した。
判決言い渡しの直後、ワロン記者は法廷で「私は間違ったことをしていない。正義と民主主義と自由を信じる。何も恐れることはない」と傍聴に来た記者や同僚らに訴えた。2記者を弁護したキンマウンゾー弁護士は、「記者らに対する『ただ口をつぐめ』というメッセージに等しい判決。2記者を家に帰すために、あらゆる手段をとる」と話した。
法廷には100人を超える報道陣のほか、マーシャル駐ミャンマー米国大使ら欧米や日本の外交官が詰めかけ、関心の高さを示した。米国政府など欧米諸国に加え、ロイター通信や人権団体が判決を批判する声明を発表した。
【取材/執筆 : 北角裕樹】
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