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【ミャンマー】通信最大手MPTが電子書籍サービス開始 国内初、日本の漫画も視野

Global News Asia / 2018年10月20日 9時15分

「MPT ブックス」の発表会には著名な作家も出席した

 2018年10月17日、ミャンマーの通信事業者最大手のミャンマー郵電(MPT)が初となる電子書籍サービスとして「MPTブックス」を開始した。MPTが運営するサイトで、出版社が提供する電子書籍を購入出来るようになった。開始時点では600タイトルの書籍を、1年以内に5000タイトルまで増やす。今後はミャンマーでも人気のある日本の漫画を配信するため、日本の出版社と調整を行う予定。

 MPT Booksでは一冊ごとの通常購入のほか、2日間の期限付きで読めるレンタルプラン、雑誌とジャーナルの最新号が月1999チャット(約140円)で毎日読める読み放題の3つのプランがある。当初はスマートフォンやパソコンから読めるウェブサイトのみだが、近く専用アプリをリリースする。利用者が登録するには、MPTの電話回線が必要。支払いをMPTのプリペイドカードで行う。

 ミャンマーの識字率は90%以上だが、地方では書店が少なく、本を手にできる国民は限られている。同日の発表会で、MPTの梅田礼三最高営業責任者は「ミャンマー全土に広がるMPTの通信設備を活用することで、多くの国民が本を読めるようになる」と述べた。また印刷がいらないなど流通コスト削減によって、通常の書籍の半分から4分の1程度の価格設定を可能にした。さらにミャンマーでは貸本屋で本を借りる人が多く、著者の収入が少なくなっているが、MPTブックスでは、売上の一部が出版社を通して著者に還元される。これにより、作家の育成を目指す。

 ミャンマー人は本好きの国民と言われる一方で、現在の出版業界は書店の不足や貸本屋の普及によって規模が小さく、カバーできていない潜在需要が大きいと同社はみている。近年は若者のフェイスブック人気などで、書籍離れも進む。MPTブックスではスマホになじみのある20代から30代の男性を最初のターゲットとして、そこから電子書籍の定着を図る方針だ。
【取材/執筆 : 鈴木蒼】

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