伝統格闘技ラウェイの渡慶次、ミャンマーで念願のKO勝利
Global News Asia / 2018年12月19日 8時15分
2018年12月16日、ヤンゴンで開催された伝統格闘技ラウェイの大会「エアKBZグランドファイナル」に日本の渡慶次幸平選手が出場した。対戦相手の強豪トゥンミンラ選手を3ラウンドKOで下し、念願のミャンマー初勝利を飾った。
背丈とリーチで勝るトゥンミンラ選手に対して、渡慶次選手は攻撃を避けて懐に飛び込み、右のフックなど強烈なパンチを見舞う戦法で圧倒した。優勢に試合を進め。1ラウンドから相手を転倒させた。2ラウンドでは、渡慶次選手の左ハイキックが決まるなどして、たびたびトゥンミンラは地に伏せた。3ラウンドで勝負をかけた渡慶次のラッシュで転がったトゥンミンラは立ち上がることができず、KOで試合が決まった。
渡慶次選手は試合後の表彰台で「ミャンマーサンキュー 」と歓喜の声をあげた。ラウェイの経験を重ねてきたが、ここ数試合は内容では押していたものの、KOとならずに引き分けとなるケースが続いており、念願のKO勝ちだった。試合後に渡慶次選手は「相手に確実にとどめを刺せるだけのスタミナをつける練習をした」と明かした。
エアKBZグランドファイナルは、2018年の複数の試合を勝ち抜くなどした強豪を集めた大会。ベルトの贈呈こそないものの、渡慶次選手は2018年の王者として扱われる。
ラウェイはキックボクシングに似たミャンマーの伝統格闘技だ。グローブをつけずにバンテージを巻いただけの拳で殴り合うことから「素手のムエタイ」「世界で最も危険な格闘技」などと呼ばれる。KOでなくては決着がつかないが、倒れてからカウントを始めるまで少しの間があくため、ピンチとなると倒れこむ選手もおり、日本開催の試合で引き分けが相次いだ。このため日本側がミャンマー側に対し、選手をより積極的に戦わせるよう申し入れ、今大会からリングサイドの審判の権限を強化するなどの工夫が取り入れられている。
【取材/執筆 : 北角裕樹】
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