【タイ】なぜそこに日本人? 「有名歌手のステージでプレイ」夢実現へ、さらなるステップ
Global News Asia / 2019年4月14日 9時15分
2019年4月14日、タイ人気歌手のステージでギターを弾く日本人がいる。タイ東北部の伝統音楽モーラムを巧みに取り入れたロック調の楽曲で、タイ全国どこへ行っても人気の歌手ピー・サドゥーさんの傍でリードギターを弾く「マサ」こと、村川正和さん(35才)だ。
マサさんは、2013年に旅行好きな父親と一緒に初めてタイを訪れ、2015年からバンコクに移り住んだ。今は日系企業でサラリーマンとして働く日々だが、バンコクでピー・サドゥーさんのコンサートがある時などは、呼び出されてステージに上がっている。
「マサのプレイは、うまいし好きなんだ。それに彼は性格もいいからね。僕たちの音楽は、チームワークが何よりも大事だから、誰からも好かれる彼の性格は、バンドにも大きな力になってるし、すでにたくさんのファンもいて、ステージ後には写真をせがまれているよ。だから、早くレギュラーとしてメンバーになって欲しいとずっとオファーしてるんだ。」
こう語るピー・サドゥーさんにとっても、期待の存在として欠かせなくなっているマサさん。正式メンバーとして何カ月も前から誘われていることについては、前向きに検討しているという。
「そろそろ決断しようと思っています。元々、ここタイで音楽やって暮らせたらというのは夢見ていたことですからね。」
新曲のミュージックビデオにも参加したマサさん。ピーからは、彼の曲にピーが歌詞を付ける共作も提案されている。三重県伊賀出身で大阪の音楽学校に学んだマサさんは、バンコク移住後に勤めていた会社の金丸昌弘社長がマサさんのギターの腕前を知ると、友人だったピーに紹介されてすぐに打ち解けたという。
「タイのモーラムの旋律は、これまで弾きなれたものとは違って、独特の指使いなんです。技巧的には、まだまだ自分がそんなところでやっていけるのか、不安が大きいですね。でも、またとない機会でもあるし、やってやろうかなという気持ちになってます。」
夢の実現にあと一歩。その一歩は、タイと日本の真の相互交流としても価値ある一歩になるに違いない。自身とピーの共作を引っ提げて日本へ凱旋公演を行うのも、その夢の道程にある。
ピー・サドゥーさんは、タイ東北部コンケーン出身でロック・サドゥーというバンドを率いてデビュー。マイナーレーベルながら、伝統音楽モーラムのリズムと旋律を巧みに取り入れた楽曲は、バンコクでも人気となった。2002年バンドを離れてタイ最大手のプロダクショングランミー社と契約後は、人気も全国区となり、独自のロックモーラムというスタイルを確率して来た。今年同社を離れて独立。新たな境地へと歩を進める。そこにマサさんは大きな力になるに違いない。
【取材 : そむちゃい吉田】
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