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◎海外からも注目される、縄文時代エンタメ漫画の描き手女性漫画家・竹姫さん

Global News Asia / 2019年5月13日 14時15分

福江島など五島列島の島々は、キリシタン関係の重要な場所でもあり、取材で足を向けましたが、古代から人々が生活をしていた場所であり、出土品からも彼らの息遣いを感じることができます。今回の作品にも出てくる漁の場面ですが、以前、生月島で古代漁法の展示を目にしたことが作画するうえで役立ちました。また、福江島にある鬼岳から広大な星空を眺めたことがあるのですが、月が翳り、街灯のない時代の夜の明るさがどの程度のものなのか、木や草の匂い…。そういった肌で感じたことも、作品作りの参考になったと思います。

福江島は遣唐使船の最後の補給地だったのですよ。対馬の展望台からは夜に瞬く韓国の街の明かりを目にしました。作品の中には海と船のシーンが多数登場します。そういった場所の距離感が頭に入っていたことも、描かせていただく上でのヒントになりました。

問い 縄文の魅力を教えて下さい。

答え 「わからないことが多い」のが魅力なのかな、と思います。例えば縄文のイメージ
の捉え方は私の子供のころからだけでも随分変わってきていて、新たな出土品や研究結果からどんどん更新されていっています。謎が多いのも楽しいものだと思います。

問い 縄文人とわれわれ現代との間で、人間として、変わらない分部と変わってしまった部分が何かありますか。

答え 変わらない部分は血縁や家族、縁のある近しいものを大事にする感覚でしょうか。縄文時代においては家族の減少は現代より深刻な問題で、働き手の損失につながる死活問題だったと思います。しかしそうした利害関係以前に、人として家族や恋人をいつくしむ心があったと考えて間違いなく、出土する墓の埋葬方法を見てもそれは明らかで、現代の我々の感情と何ら変わりはないのでしょう。一方で変わった点があるとすれば、良い悪いではなく、圧倒的に現代人のほうが「知りすぎている」。そのために何か行動する前にだいたいの予測がたってしまうことが往々にしてあり、便利な半面、閉塞感というか、頭打ち感…ともすると他人の言葉やメディアに惑わされる危機もあり、慎重な情報取捨選択が必要なのではないでしょうか。(続)
【インタビュア : ライター井上雄介】


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