インド、施行3年目の破産倒産法はなお「仕掛中」HSBC投信レポート
Global News Asia / 2019年8月9日 6時45分
最新の破産倒産法改正法は格付け機関から評価されている。このため、インド国内金融機関に対する格付けの方向性が「ポジティブ」に変更されることが期待されている。国内金融機関が処理しなければならい不良債権は2,000億米ドル相当に上るとされている。
前進はしているものの、ゴールはまだ遠い
破産倒産法は、さらなる改正・修正が必要とされているものの、インドの債務処理メカニズムに体系的な改善をもたらしたという点では高く評価されている。かつては、法体系が未整備のままで適用法があったとしてもほとんど役に立たなかった。
債権回収期間の短縮で26%まで低下していた平均回収率は、破産倒産法施行から3年目の現在は43%まで上昇している。
インド破産倒産委員会(IBBI)によると、4,452件は、借り手が破産倒産法に基づく破綻処理が開始される前にデフォルト(債務不履行)相当分を債権者に弁済して解決に至ったという。それが、金融機関の新規不良債権の増加ペースの減速につながっているとも言われている。
さらに、破産倒産法の施行以来、インドは世界銀行グループが「ビジネス環境の現状(Doing Business)」年次報告書で発表する「破綻処理」ランキングを2014年の134位(その後数年間ほぼこの位置にとどまっていた)から2019年には108位へと上昇させている。強力な破綻処理法と効率的な債権回収メカニズムの推進がビジネス環境の改善の証しとして世界的に認められたことになる。破綻処理ランキングは、海外勢が直接投資先や資産運用先を選ぶ際に重要な決め手の1つとしている。
政府は破綻処理期限を330日間と設定しているが、処理能力を超える訴訟件数を抱えるインドの裁判制度がその期限内に破綻処理を終えることができるかについては疑問視されている。会社法審判所の法廷数とスタッフの数、さらに債権回収審判所の数を増やすことがインドの破綻処理プロセスの改善を促進するうえで重要な対策と思われる。
破産倒産法は施行からの3年の間に著しい前進を遂げてきた。政府も、破綻処理法制の将来の「成功」のために関連する規制機関・制度について必要な微調整を続ける意思を明確にしている。不良債権のタイムリーな処理、破綻処理プロセスの持続的改善を可能にする国内環境の整備はインドにとってこれからも優先課題と言える。
【編集 : WY】
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