中国の違法な地質調査船団ベトナム海域からの撤退! アメリカの空母が南シナ海に入るとの噂で逃げた?
Global News Asia / 2019年8月9日 21時0分
2019年8月9日、一昨日、ベトナムの排他的経済水域(EEZ)から、中国船が消えた。国営ベトナム通信によると、ここ1カ月以上の間、この海域で異常な行動を行っていた「中国・地質調査船団」【海洋地質8号と護衛の中国海洋警察の海監艦3隻(37111,3901,4630)】がこの海域から退去したのだ。ベトナム政府には、なぜ退去したのか、中国政府からの公式発言は伝えられていない。
ベトナムとしてはひとまずホッとしたといったところだろう。しかし、嵐の前の静けさという恐怖心も同時にあるのも事実だ。
アメリカの空母が南シナ海に入るとの噂以外にも、理由はいくつも想定される。国際社会からの「中国の力による支配」批判を一時的にかわすためのカモフラージュ。調査を行っていた海洋地質8号自体になんらかのアクシデントが起きた。船員の任務期間が終了し一時的に帰国しただけ。中国の外務官僚の中では比較的国際バランス感覚が優れていると言われる、元駐日大使である中国の王毅外相が、自国の行動を自制させた。海洋油田を発見したことで調査が終了し、次の行動を起こすための帰国など、様々な憶測がある。だが、どれに関しても、中国の自己都合であり、中国の意志一つで、またベトナムが被害を受ける可能性は存分に残っている。
船団が滞留していた時点でベトナムは、中国の違法な行為に対して「ベトナムの主権を侵害する行為を即時中止し退去するように」と中国政府に要望し、また国際的にも退去命令に協力する発言を求めていた。
7月にバンコクで行われたASEAN外相会議の場でも、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相は、中国の王毅外相と会談して、ベトナムのEEZでの違法海洋活動に抗議していた。これが、効果を成し、今回の撤去となったのであれば問題はない。しかし、一外相の英断で中国政府が強気の姿勢を改めるとはとても考えられないのも事実だ。
外相の働きかけによるものならば、撤退の理由について、中国政府からなんらかの公式発表がなされて然るべきであるが、中国はそんなフェアな国ではない。
南シナ海はベトナムにとっても中国にとっても共有する海域である。その暗礁一つを中国側が自国の国土だと言い張ってしまえば、国際問題に発展する。
「中国はとても難しく厳しい相手国なので、今後の動向を綿密に監視し続けたい」とベトナム政府関係者は語っている。船団が一時的に去ったとはいえ、中国の暴走の恐怖からベトナムは逃れることはできないのである。
【編集 : WY】
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