【タイ】インパール作戦引き上げ兵の最期、風化させない チェンマイ在住の日本人ら
Global News Asia / 2019年8月14日 9時15分
2019年8月14日、第二次世界大戦のインパール作戦の失敗で壊滅的な打撃を受けた日本軍の撤退の際に野戦病院となり、多数の傷病兵が命を落としたタイ・チェンマイで、兵士の遺品が人知れずひっそりと眠っている。タイ人の警察官の収集したヘルメットや軍服、軍刀のほか、当時の写真などが、当時野戦病院として使われ、慰霊碑が設置されたムーンサーン寺院の博物館の一角に保管されている。
遺品は地元の警察署長だったチューチャイ・チョムタワットさんが収集。このムーンサーン寺院のほかにも保管されている場所があるという。インパール作戦当時の写真は、同作戦の体験者である従軍獣医の井上朝義さん撮影によるものだ。未整理の写真のネガなどもあるという。
日本軍は1944年、日本占領下にあったミャンマーから、英領インドの拠点インパールを目指して進軍したものの、徒歩での山越えや、補給のずさんさなどから惨敗。撤退もままならず、負傷や疫病などで数万人の兵士が命を落とした。生き残った部隊はミャンマーからタイに撤退、ムーンサーン寺院などで治療を受けたが、ここでも多数の日本兵が帰らぬ人となった。
日本人の有志らは、毎年8月15日の終戦の日に合わせて同寺院で慰霊祭を開催。定期的に慰霊碑などの清掃活動などを行っている。しかし、保管されている遺品や写真など貴重な資料については、人手が足りず十分に整理や研究ができていないという。あるチェンマイ在住の日本人は「歴史的貴重な資料が多く眠っているはずだ。専門的知識のある人に研究してもらいたい」と話している。
【取材/執筆 : 北角裕樹】
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