【ミャンマー】国軍批判の人権派映画監督の公判が結審 8月29日に判決へ 「スーチー政権」の表現の自由
Global News Asia / 2019年8月16日 18時15分
2019年8月15日、ミャンマー国軍を批判したとして逮捕された人権派映画監督のミンティンココジー氏の公判が結審した。判決は8月29日に下される見通し。2016年にアウンサンスーチー氏が実質的に率いる国民民主連盟(NLD)政権が誕生してからも、ミャンマーでは記者や芸能人らの逮捕が相次いでおり、政権の進める民主化の度合いが試される判決として注目される。
ミンティンココジー氏はフェイスブックで国軍批判を繰り返したとして、国軍の反乱を促しかねない言動を広範に禁止する刑法505条a項の罪に問われている。今年4月に逮捕され、肝臓がんの疾患を理由に保釈を求めたが認められていない。
この日の公判でミンティンココジー氏は、時折薬を飲みながら休憩をはさんで証言。「(国軍は)泥棒や殺人が仕事」などとの書き込みを自ら行ったことを認める一方で、「軍を混乱させる目的はない」として、改めて無罪を主張した。書き込みの理由を「星占いに頼る政治はおかしいという思いで書き込んだ」と説明した。
ミャンマーでは、国家秘密法違反の罪に問われたロイター通信の記者2人が最高裁まで争った末2019年に有罪となり、大統領による恩赦で釈放されたケースがある。また、国軍を批判する内容の演劇を行ったとして劇団員が逮捕される事件も起きている。
【取材/執筆 : 北角裕樹】
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