インド政府「景気支援策を強化」しかし、刺激策は見送りーHSBC投信
Global News Asia / 2019年9月7日 7時15分
景気支援策で最も注目すべきポイントとしては、外国人投資家(インドでは、FPI=外国ポートフォリオ投資家と呼ばれる)と国内投資家への追加課税案が撤回されたことが挙げられる。追加課税案が盛り込まれた2019年度予算案が7月に発表されて以来、数週間で、外国機関投資家によるインド株売却は相当規模に達していた模様である。
政府と中央銀行は、2018年末以来、景気減速と市場の低迷のもう1つの原因となっているNBFCの流動性不足についても一連の対応策を発表した。
2019年度予算案に盛り込まれていた総額7,000億ルピー(約1兆430億円)に上る国営銀行への資金注入計画は前倒しで実施されることが決まった。同時に、政府は貸し渋り対策として10国営銀行を4行に統合し、銀行システムを強化する案を発表した。
成長促進策は外国直接投資(FDI)にも及び、外資出資比率がデジタル・メディアの場合には26%、石炭採掘、インフラ関連事業、燃料販売については100%にそれぞれ引き上げられた。単一ブランド小売に関する外資規制も緩和されたほか、外国の大手エレクトロニクス・メーカーや製薬会社による国内下請け企業への直接投資を促がすために両セクターの下請け企業への外資による全額出資が可能になった。
ほとんどの場合、実際の効果は対策が実行に移されてみなければ判断のしようがないのが現実であり、効果があるとしても限定的なものになると見られている。しかし他方で、全面的な景気刺激策が見送られたこと自体は、すでに巨額の規模に達している財政赤字の拡大が回避されたという点において評価される。
【編集 : RO】
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