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ミャンマーの伝統ラップ劇団員5人に懲役1年 「タンジャ」で国軍批判 

Global News Asia / 2019年11月9日 9時15分

有罪判決を受け抗議する劇団「ピーコックジェネレーション」の団員(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2019年10月30日、ミャンマーの伝統的なラップ調の劇である「タンジャ」で国軍を批判したとして、マヤンゴン郡区裁判所は劇団「ピーコックジェネレーション」の団員5人に対し、刑法505条a項(国軍の反乱を促す言動の禁止)違反罪で懲役1年の実刑判決を言い渡した。劇団員らは「判決は伝統芸能のタンジャを侮辱するもの」として、控訴を検討している。

 この事件では、ピーコックジェネレーションが2019年4月の水祭りでタンジャを上演した際に国軍を批判する言動をしたとして、国軍側が告訴。劇団員の5人が逮捕・起訴されていた。裁判官は判決で劇団員がタンジャで「戦争で儲けているのか」「将軍は国際司法裁判所へ行け」などと発言したことを指摘。「このような風刺が軍人や国軍の威厳を損なうことはわかっていたはず」として有罪とした。一方、5人以外にも電気通信法66条d項(サイバー空間での中傷)などで訴追された劇団員がおり、一連の裁判は今後も続く見通しだ。

 ミャンマーの伝統芸能であるタンジャは軍事政権時代から、コメディと並んで政権への不満を皮肉を込めて表現する場として活用され、民衆に愛されてきた。ミャンマーでは今年の春ごろから政府に批判的な表現者の逮捕が相次いでおり、人権派映画監督のミンティンココジー氏も今年4月に逮捕されている。
【取材/執筆 : 北角裕樹】

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