タイ、オーストリア、日本が舞台の映画ぬくもりの内側がバンコクでクランクアップ
Global News Asia / 2019年11月23日 10時15分
私は2歳から両親がいなく、必死に育ててくれた大正生まれの祖父母も早くに亡くなり、既に日本には実家や帰る居場所すらなかったので、海外にいた時期は、日本に本帰国することが正直怖く思えていました。ニューヨーク在住をはじめ、海外貧乏生活とパックパッカーの繰り返し。ずっと地に足がついていなかった若き時代そのものでしたが、実はタイ在住時に「日本で再度頑張り抜こう」とやっと本帰国の決断が出来たんです。
1999年に本帰国をし、まさか20年後の自分が今このバンコクで、クランクアップを迎えることが出来たなんて、全く夢にも思いませんでした。重ね重ね、今回の新作映画に関わって下さったすべての方々に深く深く感謝しかありません。そして20年前、カオサン通りで、先行きが全く見えなかったバックパッカーの自分に「タイでゼロから暮らしてみたらどうだ。新しい何かが見つかるかもしれない。」と心をちゃんと支えてくれた人生の先輩に感謝致します。
来年度の国際映画祭出品に向けて、映画製作により精進を重ねて行く所存ですので、今後ともご指導ご鞭撻の程宜しくお願い致します。タイは第二の故郷。これからも時々戻って参ります」と語った後、タイ撮影関係者との名残を惜しみつつ、機上の人となった。
幼い頃から若い時代に、多くの愛や存在を失って来た田中監督だからこそ、描くことができたのが今回の「ぬくもりの内側」というストレートなヒューマン映画なのかもしれない。
【取材・編集 : TS】
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