【ミャンマー】中国主導のダムに反対 市民らヤンゴンで反中集会 習近平主席の来緬合わせ要望書
Global News Asia / 2020年1月22日 5時15分
2020年1月18日、中国がミャンマー北部カチン州で計画するミッソンダムや、中国企業の違法な投資などに反対する市民らが、ミャンマー最大都市ヤンゴンで抗議集会を開いた。中国の習近平国家主席のミャンマー訪問に合わせた行動。市民らは習近平主席に解決を求める要望書を中国大使館に提出した。
同日、市民ら約50人がヤンゴン中心部のマハバンドゥーラ公園で集会を開き、「ミッソンダムを撤回しろ」「(中国の)投資には透明性を」などとシュプレヒコールをあげた。集会終了後、市民らは中国大使館を訪れて、習主席あての要望書を提出。要望書では、ミッソンダム計画の撤回に加え、中国企業の違法なビジネスや、中国へのミャンマー女性の人身売買問題の解決を求めている。
ミッソンダムは、2009年に中国側と建設で合意。ミャンマー国土を南北に貫く大河エーヤワディ川の上流に建設予定の大規模ダムだ。多くの住民移転が必要とされ、発電する電力の9割を中国に送る計画とされ、批判を浴びた。地元の反発を受け2011年に当時のテインセイン大統領がプロジェクトの休止を決定。2016年に政権の座についた国民民主連盟(NLD)政権も、休止を続けたまま方針を決めておらず、中国が強く再開を求めるプロジェクトの行く末に注目が集まっている。
習近平主席は17~18日の日程で首都ネピドーを訪れ、アウンサンスーチー国家顧問やミンアウンライン国軍司令官らと会談。両国はラカイン州チャウピューでの経済特区計画推進のほか、道路や鉄道、電力分野での中国の支援で合意した。一方で、ミッソンダムについての発表はなかった。中国の国家主席のミャンマー訪問は19年ぶり。2020年は中緬国交樹立70年にあたり、両国は「中緬文化観光年」として、交流を進める方針だ。
【取材・執筆 : 北角裕樹】
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