【ミャンマー】マスコミ3社の捜査を開始 アラカン軍取材で編集長逮捕 「テロ組織」指定で摘発強化か
Global News Asia / 2020年4月9日 6時15分
2020年4月8日、ミャンマー当局が、ラカイン州で国軍と戦闘を繰り広げるアラカン軍を取材した地元メディアの大規模な捜査を開始し、ミャンマー報道評議会が仲裁に乗り出している。マンダレー拠点の「ボイス・オブ・ミャンマー」の編集長が逮捕・起訴されたほか、2つのマスコミが家宅捜索を受けるなど捜査対象になっている。ミャンマー政府は3月、アラカン軍を「テロ組織」として指定しており、摘発を強化している模様だ。
ミャンマー報道評議会などによると、ボイス・オブ・ミャンマーのネイミョーリン編集長が3月30日に非合法結社法違反の疑いで逮捕、その後起訴され公判手続きが始まっている。ネイミョーリン編集長はラジオ・フリー・アジアなどの取材に対し「自分は倫理に従って報道を行なった」と話している。
また、31日にはラカイン州拠点の「ナリンジャラ」が家宅捜索受け、記者ら3人が事情聴取されている。ヤンゴンの「キッティ・メディア」の編集長宅には31日に捜査員が訪れたが、編集長は不在で拘束されなかった。
この3つのメディアはいずれも、アラカン軍の広報担当者を取材し、報道していた。ボイス・オブ・ミャンマーは、テロ指定を理由に国軍側と停戦の交渉を取りやめるとするアラカン軍広報担当者のインタビューを報じている。
アラカン軍はラカイン州やチン州で国軍と戦闘を繰り広げており、3月ごろから戦闘が激化。政府は3月23日にテロ組織として指定している。今回の捜査は犯罪捜査部(通称CID)が担当しているという。
【取材/執筆 : 北角裕樹】
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