韓国の反日不買運動で窮地に陥ったデサント 創業家前社長が敵前逃亡?
Global News Asia / 2020年10月1日 12時30分
=伊藤忠のTOBに敗れた石本氏に持ち株売却情報=
韓国の反日不買運動の影響をもろにうけて業績が急速に悪化し、TOB(株式公開買い付け)を受けて伊藤忠の軍門に下ったスポーツウェア大手・デサント(本社・大阪)の混乱が続いている。同社を追い出された創業家出身の前社長、石本雅敏氏(58)が持ち株(932,000株・発行済み株式の1.2%)を密かに売り払い、約14億円を手にしていたとの情報が流れ出したからで、同氏と共に伊藤忠商事のTOBに頑強に抵抗してきた同社の多くの社員に動揺が広がっている。
デサントは1935年創業の老舗のスポーツウェアの専門メーカーで、野球やサッカー、スキーなど各種のスポーツウェアを生産・販売して成長し、自社ブランドで海外への進出も果たしてきたが、韓国市場での売上が極端に多かったため、2019 年に慰安婦や徴用工問題で日韓関係がこじれ、日本が韓国への輸出厳格化措置をとると、韓国で激しい日本製品の不買運動が起き、同社の業績が急速に悪化した。
伊藤忠商事は当時、デサントの約30%の株式を保有し、経営面で協力しており、従来から“韓国市場の偏重”を懸念し、伊藤忠商事が得意としている中国市場での事業の拡大を求めてきていたが、石本氏ら経営陣はこうした提言を聞き入れず、経営が悪化。伊藤忠商事はこうした状況の中でデサントの子会社化の方針を決定した。しかし、デサントの多くの社員がこれに反発し、デサント側では伊藤忠商事トップと石本氏の対談を録音した音声を週刊誌に渡すなど抵抗した。石本氏らと共にTOB阻止運動を始めた。だが、伊藤忠商事は当時のデサント株価の1.5倍にあたる2,800円で株を集め、発行済み株式の40%を取得、経営陣の刷新を求め、石本前社長らを退任に追い込んだ。
=残された社員に怨嗟の声=
このため、伊藤忠商事は同社繊維部門トップの小関秀一専務執行役員を新社長としてデサントに送り込み、経営再建に取り組んできた。しかし、伊藤忠商事が求めた中国市場での展開は短期間に1000店舗を目指すというもので、新型コロナウィルスの影響もあり、上手くいっているとはいえず、伊藤忠商事のお手並み拝見といった所のようだ。この状況の中で、多くの社員が頼りにしていた大株主である石本前社長が「株式を売り払ってしまった」という情報が流れ、社員たちはがっくり。「(石本氏は)あまりにも無責任」といった不満の声が上がっているという。(2020年10月1日配信)
【編集 : RO】
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