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「取材認めないが金はやる」「断る!」ミャンマー報道団体が政府のコロナ支援金返上

Global News Asia / 2020年10月8日 7時0分

2020年9月、感染者が発生し締め切られたビル(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2020年10月1日、ミャンマーの記者らで作るミャンマー・ジャーナリスト協会は、政府から支給された報道関係者向けの支援金500万チャット(約40万円)を、政府の新型コロナウイルス対策中央委員会に寄付する形で返上すると発表した。

 現在ミャンマーでは、新型コロナウイルスの第二波とされる感染拡大を受けて、ヤンゴンなどで外出禁止令が出ている。報道機関側は、取材活動のための外出を認めるように政府に要望しているが、政府はこれを認めず、代わりに支援金を支給することにした経緯がある。報道機関側はこうした政府の方針に反発しており、支援金を返上することで抗議の意思を示した形だ。

 ミャンマーでは、8月下旬から新型コロナウイルスの感染者が急増。10月6日の時点で、陽性となったケースは累計で1万8000人を超え、440人以上が死亡している。政府の報道関係者向けの支援金はミャンマープレス評議会を通じて6つの団体に支給されており、ミャンマー・ジャーナリスト協会はそのひとつ。ほかの団体では支援金を記者らに配る動きもあり、対応が分かれている。

 ミャンマー政府は9月下旬、医療関係者や公務員、食品業界関係者など一部の例外を除いてヤンゴンのほぼ全域の住民に対し、買い物など必要な場合以外の外出禁止を発令。記者は例外に含まれていないため、報道機関や報道団体が「正しい報道がなければデマが広がる」として、取材活動を認めるよう政府に申し入れていた。現状では少なくない記者らが取材活動を続けているが、外出禁止令は罰則付きであるため、逮捕や刑事訴追の危険にさらされている。
【取材/執筆 : 北角裕樹】

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