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【ミャンマー】国会の22選挙区で投票中止 治安悪化で候補者3人誘拐

Global News Asia / 2020年10月27日 14時30分

連邦選挙委員会の記者会見(同委員会のフェスブックページより)

 2020年10月20日、ミャンマーの連邦選挙管理委員会は記者会見を開き、ラカイン州やシャン州、カチン州などの一部地域で治安が悪化しているため、11月8日に予定されている投票の一部を中止すると発表した。選管は選挙が中止となる議席の数を明らかにしていないが、国会の上下両院合わせて22議席程度が選出できなくなる見通し。会見で選管のミンナイン委員は「有権者やボランティアなどの安全を考慮した」と話している。

 地方選管などの情報を基に試算すると、ラカイン州とシャン州で上下両院の合計22議席が選出できないとみられる。特に内戦が続くラカイン州では、予定されていた29議席のうち半分以上が中止となる見通しで、地元に強い地盤を持つラカイン族系のアラカン民族党(ANP)などの民族政党が不利になる。このため不公平だとの批判が出ているが、会見でミンナイン委員は「政府や省庁の報告をもとにして判断した」と述べ、独立した判断ではなかったことを事実上認めている。

 ラカイン州では10月14日、ラカイン族系武装勢力の「アラカン軍」に与党・国民民主連盟(NLD)の現職議員で立候補者3人を誘拐。政府に対し、3人の解放の条件として逮捕されている市民運動家の釈放を求めるなど、治安が悪化している。
【取材・執筆 : リンニャントゥン】

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