ラオス・ルアンパバーン『世界遺産保全と観光開発の取り組みを再開』JICA+高山市
Global News Asia / 2020年12月22日 18時30分
2020年12月9日、JICAと岐阜県高山市は、世界遺産登録25周年のラオス・ルアンパバーンの世界遺産保全と観光開発の取り組みを再開した。
《ラオスJICAのレポート》ラオス・ルアンパバーンは、UNESCOの世界遺産(文化遺産)登録から25年を迎えました。世界的な新型コロナウイルスの流行によって、観光業やサービス業に大きな打撃を受けたルアンパバーンですが、ウィズ / ポストコロナの持続的な観光開発に向けて、同県関係者らとJICA及び岐阜県高山市による協働の取り組みが再開しました。
ラオスは、12月9日現在、新型コロナウイルスの累積感染者数は41名、7か月以上にわたり市中感染は抑えられており、現在までのところ、同感染症の制圧には成功しているといえます。一方で、強固な入国制限により外国人観光客の来訪は皆無となっており、観光により発展してきたルアンパバーン県は経済的に大きな打撃を受けています。
そのような状況の中、JICAは、日本へ一時帰国していた専門家の渡航を再開し、ルアンパバーンの世界遺産保全と観光開発に向けた協力を再開しました。12月8日には、ルアンパバーンの伝統文化保全やため池水質検査モニタリング用の機材、観光客へのコロナ感染防止啓発サインボードなどの供与を実施、また9日には、世界遺産登録25周年記念イベントへの参加とともに、ルアンパバーン県副知事と今後の観光開発の方向性について意見交換しました。来年2月には、高山市とオンラインで結んで、コロナ禍での観光戦略について、相互に経験を共有する会議を行う予定です。
今後しばらく観光客の大幅な増加が見込めない状況では、Lao Visit Laos(ラオス版「Go to travel」キャンペーン)などと連携して国内観光客向け観光事業に焦点を充てながら、将来の外国人観光客受け入れ再開に向けて準備を進めることになります。一方で、観光客の急増による環境悪化や伝統的景観の喪失などが課題となっていたルアンパバーンにとっては、このコロナ期は、遺産保全と観光の調和のとれた開発を中長期的視野で考える絶好の機会でもあります。
ルアンパバーンは、日本の白川郷・五箇山と同じ日(1995年12月9日)に世界遺産に登録されました。今後は、白川郷や隣接する岐阜県高山市とも課題や経験を共有しながら、共に手を携え、このコロナ期を乗り越えていくことを期待しています。
なお、12月には、専門家や資金協力などの関係者に加え、10名のJICA海外協力隊がラオスに再赴任しました。今月下旬には、コミュニティ開発や養殖など3名の隊員がルアンパバーン県に着任、専門家とともに活動を開始する予定です。
【編集 : JICAラオス事務所】
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