【セブ・パシフィック航空】新型コロナ感染収束までのキャッシュフローは万全!
Global News Asia / 2021年4月9日 6時0分
2021年4月8日、フィリピン最大の航空会社セブ・パシフィック航空は、2020年通期(2020年1〜12月)の決算を発表した。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、旅客数は前年比78%減の500万人、総飛行回数は前年比71%減の4万1804回となり、純損失は222億フィリピンペソ(日本円で約506億円)の赤字になった。
フィリピン政府が2020年3月19日にECQ(Enhanced Community Quarantine、強化されたコミュニティ隔離措置) を決めたことを受け、セブ・パシフィック航空の運航は全面的に禁止された。フィリピンのほぼ全土がGCQ(General Community Quarantine、一般的なコミュニティ検疫) に入った6月3日以降、徐々にフライトを再開したが、各地方自治体からさまざまな要求や手続きが出されるようになり、セブ・パシフィック航空や他航空会社に限らず、移動する人すべてにとって大きなハードルになっている。
セブ・パシフィック航空は、新型コロナウイルス感染症の混乱の中でも、かつてないほど強力なキャッシュフローをねん出した。2019年末のネットDEレシオ(純負債資本倍率)は1.26倍。総資産は、2020年末までに1284億6000万フィリピンペソ(約2930億円)となり、ネットDEレシオは3.17倍と依然として高い水準を保っている。
セブ・パシフィック航空は、新たな資金調達を成功させた。3月5日には、フィリピン開発銀行、ランドバンク・オブ・ザ・フィリピン、アジア・ユナイテッド・バンク、バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランド、メトロポリタン銀行、ユニオンバンクといったフィリピン国内銀行によるシンジケート・ローン(協調融資)として、総額160億フィリピンペソ(約364億円)の10年融資契約を締結。
3月30日には、3億2894万7368株(1株あたりの額面:1フィリピンペソ)の転換社債型新株予約権付社債(転換社債)を、フィリピン証券取引所(PSE)に上場させ、約125億フィリピンペソ(約284億円)の資金を獲得した。
既存株主からは、約124億9000万フィリピンペソ(約284億3千万円)を調達した。
合計約409億9000万ペソ(約932億3000万円)の資金により、新型コロナ感染収束まで運航を維持できる見込みだ。
4月20日からマニラー名古屋線、4月21日からマニラー成田線が運航を再開する予定。
【編集 : Eula Casinillo】
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