【コラム】これこそ、二つの中国があっていい! 台湾
Global News Asia / 2022年1月27日 7時0分
2021年11月、リトアニアに、台湾大使館が開設された。痛くもかゆくもないと言いつつ、中国は、すぐさまリトアニア大使館を、「臨時代理大使事務所」と呼ぶように通達した…ちっせえなあ。リトアニア政府もすぐさま、駐在する外交官やその家族を中国から出国させた。外交官の身分証明書の返却を中国が求めたからと、アメリカのメディアは報じた。アメリカに報じられるやいなや、中国外務省は「外交関係が格下げとなったため、再申請を要求しただけ。通常の手続きであり、その間の身分制限はない」と言い訳をした。
そして、12月。中国に向けて輸出したリトアニア産のラム酒2万400本が、中国の港で足止めされた。中国税関の電子通関システムの原産地から、グッドタイミングで「原産地:リトアニア」が消えたためだ。こんな偶然があっていいのだろうか~民間レベルなら、何者かが老舗の寿司屋か鰻屋に、特上100人前の出前を頼んでおいて、その届け先が、ゴージャスな空き家のような被害とも言える。
こんな時、「二つの中国」があってよかったとしみじみ思う出来事が起きた。2022年年頭、台湾煙酒(1919年日本芳醸社らが発起人になって作られた「高砂麦酒(株)」が母体。2002年、台湾省タバコ酒類公売局が民営化して台湾菸酒公司となる)が、そのラム酒全本を買い取ったのだ。中国に輸出して、もう一つの中国が買い取った。なにもそこに問題はない。
台湾は本当に、いつもいい仕事をしてくれる。丸11年を迎える東日本大震災の時もどの国にも先んじて、手を差し伸べてくれたのは台湾だった。日帝統治時代は、ひどいこともされただろうに、それを恨みと思わず、日本人観光客に、わざわざ日本語でわらべ歌などをうたってくれる古老がまだ存在する。
その優しさは、日本にだけでなく、リトアニアにも向けるとはなかなかできることではない。それが、政治記事になるとなにか裏があるように書かれたとしても。
台湾では、中国の共通語でもある広東語は話されるが、基本台湾語と呼ばれる独自の言語を持つ。台湾の国民によりわかってもらえるラベルに貼りなおされて、市場に出回るとのこと。
昨年の台湾パイナップル、中国輸入拒否事件の際には、日本人はそのおいしさに、ずっと輸入禁止すればいいのに中国と思った(だろう)。いいのいいの。中国政府がタイミングよく輸入させないものは、もう一つ、いや本当の中国である台湾から、日本に流してくれれば。もう一度書く。がんばれリトアニア、ありがとう台湾。
【編集 : fa】
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