【コラム】ただ気持ち悪い、トラウマになりませんようー韓国

韓国のイメージ

　2022年3月、新しい大統領は、保守系の最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長に決まり、いやそれは関係ないか。韓国にも春が来た。春になると、人は新しい環境に身を置きたい願望にかられるものかもしれない。新しい場所に行けず心をこじらす人も一定数いるのも春が多いらしい。

　韓国の女子高校の前に、1台の大型トラックが止まった。国際女性デーのことだ。そのトラックには、「気持ち悪い」横断幕が張り付けられていた。

　「生活の苦しい60代のおじいさんが、一人暮らしをしています。あまりにさびしいので、おじいさんの子どもを産んでくれて、同居して生活を支えてくれる13歳から20歳の女性を求めています」と。はっきり電話番号まで書かれている。

　と、同時刻に、韓国各種オンラインコミュニティに「求む、女子奴隷」というタイトルの文章が投稿された。またたく間に、Twitterで拡散された。原文は削除されたものの、ネット魚拓のどこかで見られる可能性はある。

　国際女性デー自体は、日本ではあまりなじみ深いイベントではない。ただ、コロナ禍における花業界では、その日を「ミモザの日」として、ミモザの花を贈り合おうと呼びかけている。今年は「持続可能な明日のための今日の平等」をテーマに、多くの女性のSNSで、＃国際女性デーと書き込まれたから、日本ではこれからなのかもしれない。

　それにしても、韓国の女子高前のトラックのメッセージは、女性は子を産み、生活を支え、介護も担えと一緒くたにしたものだと思える。侮辱の範囲を軽く超えている。

　教師たちが警察に通報し、トラックの運転手は逮捕されたものの、電話番号まで明らかにした60代のおじいさんは、まだ捕まってはいない。実在する人物なのだろうか…さらに、60代はもう「おじいさん」にされる国なのだ…。
【編集 : fa】