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【コラム】国民には、必要な本数の歯があるのですかー北朝鮮

Global News Asia / 2022年6月25日 6時0分

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 2022年6月、北朝鮮の一番偉い人が、国民に寄り添う発言をした。要約すると、北朝鮮で出回っている歯磨き粉の質が悪い。製造会社は、もっとしっかりしたものを作るように。

 そのしっかりした品質の歯磨き粉の原料は、北朝鮮国内には存在するのでしょうか。今や当たり前のようになってきた食糧難に、コロナが「やっと」覆い被さった。北朝鮮の通貨もやはり、ウォンだ。しかし、それを持って韓国で買い物もできないし、その逆もできない。同じ名前の違うものだ。仮に10ウォン手にしているとして、空腹を満たす食べ物が少量と、虫歯予防になる優秀な歯磨き粉が沢山買えるとして、人はどちらを買うだろうか。空腹の前で、虫歯など二の次だ。歯磨き粉を使うとなれば、定期的に交換できる安価な歯ブラシも必要になってくる。そんな出費よりも、使うべきものがある。その使うべきもの=食料は、お金があっても手に入らない。

 北朝鮮のコロナ禍で明らかになったように、軍の要職についている者の家族さえ、満足な医療が受けられない。

 これは、もともと言われていることで、医療が不完全にしか稼働していないということは、歯科医療ももっと不完全ということだ。虫歯になった奥歯は、自分でなんとか抜いてしまうとも聞く。悪化させ、歯髄まで、ばい菌が到達していると死ぬこともある。死ぬ前に、虫歯の可能性のある健康な歯も抜いてしまう。

 帰国した拉致被害者の数名は、歯がなかった。入れ歯すらなかった。あれから20年、世襲にせよ、政権も変わった。しかし、医療はそれほど変わっているとは思えない。

 歯磨き粉の質ではなく、もっと国民が歯科医療を受けられるような世の中にしなければならないのではないか。日本とは非公式な国交しかないにせよ、イギリスを始め、儀礼的だけだとしても祝電を送り合う国もある。国内で養成が難しいなら、優秀な国民に歯科医にとしての教育をお願いできるのではないか。

 この「いかにも」国民のことを考えて発言は、なにか間違っている。ミサイルの乱打や、コロナ禍医療の出遅れ。それらで国民の中に北朝鮮の「なにか」を倒すために立ち上がろうという意識を芽生えさせないための詭弁に過ぎない、他になにがある…。
【編集 : fa】

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