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【コラム】ダイエットは、「あなただけ」すればよい

Global News Asia / 2022年7月4日 6時0分

朝鮮中央通信日本語版WEBページから、朝鮮労働党中央委員会書記局拡大会議

 2022年6月、北朝鮮の特権階級は、国民に「自然食」を勧め始めた。国民からしたら、いまさら何を言っているのだ! という怒りがこみあげてしかたないだろう。

 今年は、天候不良にも強い「踏まれてこそ強く育つ」の代名詞である麦も不作であった。

 政府の国民を顧みない浪費は言葉にするまでもないが、コロナ禍もあって、ますます国民は、病気で死ぬのか、餓死するのか、の二択を迫られている。貧困などはとっくに通り過ぎているからだ。

 「不作だからと言って落ち込んでないで、あるものを食べて、この食糧難を乗り切ろう」。政府が打ち出したキャンペーン。遠く日本人でもわかる。

 あるものって、なんですか。

 政府が推奨するのは、野生植物資源だ。今の季節であると、山菜。国土の大部分が山林である北朝鮮では、山菜も、秋のきのこ類も取り放題である…のか? 。山の名人に言わせると、取れる場所は山ならどこでもいいものではない。また、乱獲によって、翌年以降取れなくなることを防ぐために、「いい塩梅」の採取が必要だ。

 また、山菜には「灰汁」がある。上手に灰汁抜きをしないと食料以前の問題になる。そして、きのこ類には毒がある。

 国が勧めるほどの「健康食品」ではない。「健康食品」だとすれば、適切な処理をしたものか「工場生産」のものになる。野生と言うのは、そんな怖さを持っている。

 もう7月。ワラビやゼンマイ、オタカラコウやヤマゴボウなどを広報で紹介しているが、旬は過ぎた。もう長けて食べることは難しい。

 気の早い話だが、秋には木の実も取れる。しかし、その木の実の取れる樹木は、燃料を買うお金がない国民が切り倒して薪にしてしまっている。取れる以前の問題。木がないのだから。

 一番偉い人は、ダイエットに成功して激やせになった翌週に、何十キロも太って、同一人物ならば、それこそ不健康の極みだ。同一人物ではないから可能な技とも言える。

 国民は、飢餓で腹が出ることがあっても、体重が増えることはないのだ。どこの国でも政治に関わる上流国民は、下流国民に我慢を強い、現実を知ることはない。
【編集 : fa】

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