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インドのインフレ対応ーHSBCアセットマネジメント

Global News Asia / 2022年7月9日 7時0分

図表1

 2022年7月8日、HSBCアセットマネジメントは、インドのインフレ対応についてのレポートを伝えた。

― インドのインフレ率は、足元、インド準備銀行(RBI)による目標範囲の上限6%を5ヶ月連続で突破
― RBIは5月の臨時の金融政策決定会合にて政策金利の40ベーシスポイント(bp)の引き上げを決定。6月の定例の金融政策決定会合ではさらに50bpの引き上げを発表
― インフレ率上昇の最大要因は、消費者物価指数にて最大(54%)の割合を占める食料品価格の上昇にある
― RBIは現在、急激なインフレの脅威を回避するため、長期のインフレ期待安定化政策に重点を置いており、残り年内に複数回の追加利上げが予想されている

 本年4月に発行したHSBCアセットマネジメントのレポート「インド金融政策の枠組み」にて、RBIによる金融政策の枠組みについて概観した。同時に、4月の金融政策決定会合後に発表された声明文に関して、過去の会合のものとは微妙に変化した点、つまり従来の経済成長重視からインフレ抑制にRBIのスタンスが移行したことを取り上げた。また同月号では、インフレ率の上昇が続けば、RBIは近い将来、金利引き上げに追い込まれる可能性があると述べた。実際、RBIは政策金利を5月に開催した臨時の金融政策決定会合にて40bp、6月の定例の金融政策決定会合にて50bp、各々引き上げた。今回は最近のRBIの動きの理論的根拠に迫る。

 インフレの高止まり

 「インド金融政策の枠組み」で既述の通り、RBIはインフレ目標型の金融政策として、2%~6%のインフレ目標範囲を導入している。

 この観点から言えば、インドのインフレ率(前年同月比)は2022年1月以降一貫して6%超えとなっているため、RBIは5ヶ月連続でインフレ目標達成に失敗したことになる。

 インフレが高止まりしている背景には、同時進行中の複数の世界的な問題がある。とりわけ、ウクライナ情勢はコモディティと食料品の価格を押し上げ、また中国における新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖はサプライチェーンの混乱に拍車をかけている。

 こうしたなか、RBIは金融政策に対する信認を得るため、インフレ抑制に向けて政策金利を適正水準に設定することを決定した。

 利上げ

 RBIは金融政策決定会合を2ヶ月ごとに定期開催し、政策金利を変更すべきか否かを決定する。そのため、定例会合は4月の次は6月に予定されていた。しかし、急激なインフレ率の上昇を受けて、5月に臨時の会合が開催され、政策金利であるレポレートの40bp引き上げが決定された。

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