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【コラム】無名の人の飲食店しか認められない国ー韓国

Global News Asia / 2022年7月11日 6時0分

カフェイメージ

 2022年7月1日、済州島に、一軒のカフェができた。オーナーは、韓国人歌手夫婦。オープン当日は、100メートルの行列ができたと言う。有名人の店だし、ニュースになるまでのことではない、日本では。有名人や芸能人が、副業で飲食店を営むのは日常茶飯のこと。もしかしたら、会えるかもしれないと思うファン心理もある。それは、行列に並ぶことも厭わない思いだ。

 ましてや、このカフェ、オーナー自らがコーヒーを淹れ、希望されればどちらかでも両人とでも記念写真が撮れる。ファンが並ぶのは、ごくごく当たり前のことだ。

 だが、この商売繁盛に、韓国人は、いや韓国の政治家が意見を申した。行列によって、近くの住民に被害が及ぶ、と。そんなに、お行儀の悪いファンたちであり、並んでいる間に住民になにかやらかすのだろうか。行列の中にも、近くの住民がいた可能性は否定してしまうのか。…歌手夫婦は、カフェを予約制にした。これ、銀座の会員制バーみたいなものだろうか。

 まあ、行列の最後までは入店できなかった。材料がなくなり、12分後にはクローズの看板を掛け替えたという。

 韓国人にしては、有名人にしては、とても謙虚じゃないか。一切のPRを行わなかったから、そんなにお客さんは来ないだろう。自分たちが思うほど、有名ではないから、済州島と言う景観がよい場所で、歌を練り上げながら、時々コーヒー職人でもやろうかな、なんて。

 文句をたれた国会議員は、入店できなかった「有権者」からのクレームに応じたのであろうか。自分の大切な「票」たちを優先予約で入れろといいたいのか。

 済州島の路地には、小さなカフェが人口に対しては多いくらいあるという。「冬のソナタ」のロケ地でもあり、あのブームから20年くらい経つが、今でも聖地巡礼のファンは後を絶たないのだろう。その休憩には、ごちゃごちゃした食堂よりも、カフェの方が似合う。多くのメニュー(の材料)を用意しなければならない食堂よりも、「マスターの気まぐれケーキ」などの毎日気分でメニューを代えることができるカフェの方が営業しやすいのも事実だ。

 観光地の飲食業は、まずくても、リピーターは地元の人くらいしかいないから、けっこう潰れないものだ。

 この歌手夫婦のカフェは、そんななんちゃって営業のカフェ経営者たちの収入を脅かすほどのものなのだろうか。国会議員が出て来ないと解決しないほどの大商いなのだろうか。

 韓国では、財閥のお嬢さんたちが始めたベーカリーに対して、小商いしているという一般民のパン屋を潰すつもりか! という、社会的議論が起こったと言う。財閥のお嬢さんだって、職業選択の自由はあるはずだ。パン屋さんになりたいと思ってもいいじゃないか。この議論によって、開店したばかりのベーカリーは閉店した。一般人なら開業資金が回収できないのは死活問題だが、財閥のお嬢さんだから問題ないと? 。

 有名人は公人であり、公人は、小商いをしてはいけないと、この国会議員は言う。

 日本でも都会では珍しくないが、東日本大震災の後に、世界のKEN WATANABEが被災地気仙沼にカフェを出しているんですよ。近くには、県内に根強いファンがいるコーヒーショップもあって、相乗効果で両方ともお客さんが絶えないんですね。そういう考えにならないのが、韓国と言う国である。
【編集 : fa】

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