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【コラム:タイの田舎で考えたこと3】タイ日合資の企業が示してくれた目指すべき農業のあり方

Global News Asia / 2022年7月29日 11時0分

 企業が自らの利益を追求するだけではなく、生産者やその地域、取引先、そしてもちろん社員と全てに利益が行き渡るような事業を現代ではソーシャルビジネスと呼んでいる。今回会った彼らもそこを目指していると言っていたのだが、基本的にはかつての日本企業がやっていたこと、そのものではないのかとわたしには思えたのだ。そして、現代としてそこに加味するべきは、持続可能にするために安全性や周辺環境にも配慮して構築する。彼らがやろうとしている具体的なことを書けないのがもどかしい気もするが、わたしにとっては、今回出会った彼らに日本人が関わっていたことが嬉しかった。日本の将来を考えるとなかなか希望を見出すのが難しい状況の中で、彼らには成功して欲しいと思うし、今後もその動向を見守っていこうと思う。

 映画「釣りバカ日記」の中でスーさんこと鈴木建設の鈴木一郎社長が「わたしは社員数千人の生活を守らなくちゃいけないんだ」と言っている場面が何度となく出てくる。それは、かつて日本の会社が株主のためではなく、社員のために存在していたということを物語るひと言だ。だからこそ、終身雇用性といったことも成り立っていたわけだが、今やそうした価値観は完全に失われてしまっている。企業が利益を追求するのは当然のことだとしても、それが何のためなのか。パンデミックと戦争という世界的な混乱の中、立ち止まることを余儀なくされた今だからこそ、もう一度よく考えるべきではないだろうか。自分たちが食べるものを作ってくれている人々が、困窮するような世界は間違っているのではないか。食前に「いただきます」と手を合わせる人なら、お分かりいただけるのではないだろうか。
【執筆 : そむちゃい吉田】


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