【コラム】議員「センセ」のなさることは、票に結びつくことだけー韓国
Global News Asia / 2022年8月17日 6時0分
2022年夏、異常気象が続いている。筆者が「線状降水帯」という言葉を知ったのは、7年前だ。徒歩距離の川の堤防が決壊し、友人の家が水の下になった(事前に家族ごと職場に逃げていたので無事)。あの時は、〇〇年に1回の珍しいことだという報道だったと思う。ところが、翌年から全国のあちこちで見られる現象になり、今年は、東北地方がまた中心的に見舞われている。
少なくとも地元のことなので、市会議員は奔走している気がする(マスコミは取り扱わない)が、もう県会議員レベルになると、国会議員や大臣のだれそれが視察に来たというレベルでないと動かない。「自分一人動いても、すべての人に平等にはできませんから」。その節は間違っていないが。7年前は雨量計が壊れていて、国土交通省があまりの通報に電源を外して数年無管理状態になっていての決壊だった。
自然災害の時ほど、「議員」という輩は無力だ。作業着を着て長靴履いて(それすら履いてこないで、おんぶしてもらった議員もいたな)、被災地を安全な位置から見学する。「国に持ち帰って、直ちに検討する」。検討してなにもしないならば、来ないでいただきたいものだ。
ところ変わって、韓国でも同じこと。未曾有(「みぞうう」と読みます! )の大雨に見舞われている。報道は被害一色だ(それでも、涼しい部屋で大統領をSNSで叩いている人はいるが)。
韓国の国会議員は、日本の議員センセとは違って、地元でボランティアとして復旧活動に加わっている。それが次回の票につながるのだから、がんばってもらいたい。だが、誰だって、この暑さの中泥まみれになりたくはない。
なのに、すぐに泥にまみれた議員は言った「もうちょっと雨が降ってくれると、(オレが活躍している)いい写真が撮れたのだけれど」…どの口が。やばいと思った同僚議員が、すかさず、腕を叩いた。別の議員は「雨は降らないに越したことはない」と言ってフォローした。
「水害に遭ってしまった自分の家だと思って、最善を尽くし働くつもりだ。被災者の心を思うと、ふざけたり、冗談を言ったり、写真を撮ったりしている場合ではない」と、非常対策委員長が参加している全議員に呼びかけた。
「いい写真が撮れるのに」と発言した議員はその後SNSでフルボッコにされてはじめて、謝罪をしたが、言ってしまった言葉はもう元には戻らない。
被災地に行ってもお客様扱いで「国に持ち帰る」議員がいいのか。ボランティア出動し「次回の票のため」に動いているフリをする議員がいいのか。
「先生と呼ばれるほどのバカでなし」が、一番なのかもしれない。
【編集 : fa】
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