【コラム】わずか50年で、トイレも進化しましたね~中国
Global News Asia / 2022年10月13日 7時0分
2022年9月、日中国交正常化から満50年になった。友好の印に中国から贈られたパンダちゃんは、もう何代目なのだろう。1972年は、沖縄本土復帰が5月に佐藤栄作首相の時にあり、日中国交正常化は田中角栄首相と次の次の次の総理大臣大平正芳の功績でもあった。子どもが将来なりたい仕事に総理大臣と書いた時代。総理大臣も軽くなった気がする。
さて。正常化当時、中国に行った人は、トイレでびっくりした。囲いの上と下が空いていて、立ち上がると、挨拶できる状態だったのだ。おそらくその時代だって、覗く変態はいただろうに、中国はしごくおおらかな国だった気がする。
国際化していく過程において、中国のトイレ事情も急速に変化していた。今では、普通に個室で、最新式の洋式便器が置かれている。
そんなトイレが当たりまえになったとある大企業のトイレに、監視カメラが設置されていることが問題になっている。会社は設置の理由を「従業員の喫煙を防ぐため」と答えている。
中国の民放では、いかなる組織も個人も法律の特例がない限り(どんな特例だ? )、他人の私的な活動を撮影し開示してはならないと規定されている。会社のトイレを使うのは基本従業員であるから、労働監察官が調査に入った。
だが、この会社だけが珍しいことでもないらしい。従業員の椅子に、心拍数や呼吸などを計測できるクッションを取り付けている。これは「疲労の度合いの把握」のためだ。しかし、椅子から離れている時間でサボり具合の把握を行っているとも言える。パソコンのカメラを常時作動させて、従業員を監視し続けている会社もある。
50年前に最前線で「重鎮」と呼ばれる社長をしていた経営者のほとんどは、鬼籍に入られたと推測する。下の隙間でも手を振って、上の隙間でも挨拶して、あのなにも恥ずかしいことはない(それも排泄すら監視されていたと言えるのかもしれないが)と、おおらかだった中国人が、人を信じられない国になった50年と言う半世紀。
【編集 : fa】
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